朝天 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

その日、どうにも朝から天麩羅の気分だったのは、前日に飲んだ酒場で不完全燃焼に終わってしまったせいかもしれなかった。
旨くて安い店なのだが、いかんせんそれだけに誰からも愛される。
客の中には、自分の好みに合わない者もいたりする。
まあ、そこはお互い様だから、堪えるしかないのだが、それにしても、耳を劈く大声には閉口だった。
天麩羅も旨い店ではあったが、俺は生ビールを一杯飲み終える迄もなく、頼んだ刺身も残したまま、河岸を変えた。
しかし、変えたそっちも、似たり寄ったり、なんだか、しょっぱい結末に終わってしまった。
そんな翌朝、俺は羽田空港にいて、いつものことながら、搭乗2時間前行動の俺、予定の搭乗の時間までは1時間以上空いていた。
まだ9時前だったが、空港の飲食店の多くは、すでに営業を始めており、その何軒かでは、酒も飲むことができそうだった。
空港に備えられた、店の案内図を吟味する俺の目に留まったのが、「麺と串の店」という文字だった。
朝の6時から営業されていて、謳う通り、麺類と揚げ物がいただけるらしい。
揚げ物ってことは、天麩羅もきっと置いているに違いない。
無ければ無いで、天麩羅を串カツに妥協することも吝かではなかった。
地図を参考にする限り、現在地からは随分と離れたところにあるようだったが、俺は迷わずその店で時間をつぶすことに決めた。

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幸いにして、串カツのみならず、天麩羅も用意されていた。
それもなかなか良心的価格設定で。

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良心的なのは価格のみあらず。
箸袋の裏に、箸の持ち方を図入りで記載しているあたり、外人さんにもやさしいお店に違いなかった。
肝心の天麩羅も悪くない。いや、旨かった。
そんなわけで、旅立つ前から、すっかり朝天でできあがってしまった。

あ、朝天ってのは、朝から天麩羅って意味ね。

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奇遇かな、こっちも朝天。
あ、こっちの朝天は、朝から良い天気!

では、ちょっくら行ってきます。

ではまた。