孤独のスルメ | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

「飯、行かないか?」
と誘った俺に、
「もう、食べちゃったわよ。」
とマリイはどこか怒ったような口調で言った。
いや、実際怒ってたんだろうな。
俺も、もっと早く連絡すればよかったのだ。
いつもより帰りが遅くなるけど、一緒にご飯食べに行きたいから、夕飯食わずに待ってて、と電話なりメールなりをすれば、こんなことにはならなかったのだろうが、俺にはそれができないのだ。
「そうか。」
俺はそれだけ言い残すと一人ふらりと家をでた。
特に当てもなく神泉界隈をぶらついた。
いつも行く居酒屋は、この日は休み。
たまに行く居酒屋は、ママが病気で入院中。
いつも入れないワインバーは、今日も満員御礼中。
寿司屋に一人は間が持たない。
さて、どうしたものか?
とそんな時目に入る、最近お気に入りのちょいと洒落乙系の焼き鳥屋。
今夜はここだな。
俺は店の扉を引き開けた。

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ほろ酔いで、家に帰ると、部屋の明かりは点けられず、テレビではラストサムライが流れてた。
マリイはソファーに寝そべって、一人スルメをかじってた。
腹の上には飼い猫のきょんが横たわり、横に置かれたデスクには切子のグラス、床には黒霧のボトルが置かれてた。
これからは、早めに連絡しよう、そう思った。