門司港再び | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

またまた船で唐戸から門司港へ。
船着場から門司港駅に向かっていると、人力車のお兄さんから声がかかる。
この界隈、観光客相手の人力車のお兄さん達がたくさん待ち構えている。
タクシーより多いんじゃないかと思う。
あれってなんか面倒臭い。
おそらく、街中で知らない男から声を掛けられる女の子ってのがそういう気分なんじゃないかと思う。
声を掛けてこられると、
「うぜえ!呼んでねえよ!」
と思うのだが、一応笑顔でお断り。
かといって、まるっきり無視されて他の女の子に声を掛けてるのが目に入ると、そしてその女の子がどうみても自分より劣って見えた場合なんか、
「ちょっと!そっちよりアタシでしょ?!アタシに声かけなさいよ!」
と苛っと来つつも、どこか物欲しげな目で見つめてしまう。
だからといって、それで、声を掛けられたら掛けられたで、今度は
「うぜえ!」
ってなるんだから、勝手というか面倒臭い。
まあ、いずれにしても誘いに乗ることはほとんど無い。
そんなわけで、俺も人力車のお兄さんにペコペコ頭下げながら、やっとこ門司港の駅構内に駈けこんだのだけど、駅前広場を振り返り、さっきお断りしたお兄さんが、可愛い女性観光客等に囲まれてキャーキャー言われてるのを目にすると、こんな俺みたいなオッサンに声を掛けることも無かっただろうに・・・となにか寂しくなると同時に、敢えて俺みたいなおっさんに声を掛けたっていうのは、
「俺って、差別しないから!。オッサンだろうとチビッコであろうと、若いねーちゃんであろうと、分け隔て無く声かけるもんね!」
という、彼の自分を周囲に良く見せるための演出だったのかな、なんてことも思ったりした。
それから、そういう事を思い付くって事は、それこそ俺にそういうところあるからだろうな、と、ハーっと深いため息を吐いたところで電車がホームに入ってきた。
「A()Cのとっちゃん坊や、行くよ!」
遠くで妻が俺を呼んだ。

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

最近、妻が俺を呼ぶ時、とっちゃん坊やの頭に時々A()Cが付くようになったのだが、A()Cの意味わかる方、いらしたら、そっと教えて下さいね。