小林@町屋 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。



どうも初めてのお店ってのは勝手がわからなくていけねえ。



ならば、格好つけずに、お店の人や、隣のお客さんなんかに、訊ねればいいものを

「なんだい、アンタここはじめてかい?もしかしてアレかい?雑誌やらインターネットとやらをみて来たって口かい?」

なんて図星を言いあてられるのが恐くって、壁のメニューを睨んだ目線を落とせなかったりするんだな。



そうだな、ここはレモンハイだな・・・

なんて声に出してつぶやいたりしてみるものの、お店の方が注文を取りに来てくれる様子もなく、

「もしかして、ここは叫んで注文を伝える店か?」

と周りの様子を窺えば、

鍋の周りの常連さんは、勝手に煮込みを取っている。

「まさか、おつまみもセルフ?!」

とビックリしていると・・・



「はい、お通し。飲みものは?」

と、お店の大将。

良かったぜ、デカイ声張りあげなくて・・・

「レモンハイと煮込み一皿、お願いします。」



しかし、この煮込み、追加したくなったらどうするのだ?
まさかまた五本セットの一皿を頼まなきゃいけないのか?

うーむ、どうしたものか。

ま、いっか、この串食べ終わったら、ここはサクッ切り上げ、次行くか!?

なんて、自問自答していると、

背後から名前を呼ばれる。
「え?」
と、振り返ると、なんと皆さん考えることは同じなようで、塾長美女と御一緒に立っているではないですか。



「いやあ、恐らくいらしてるって噂してましたよ。」
と、塾長ニヤリ。

塾長とも合流できたことだし、ここはもう少し腰を置くことにして、もう一杯&もう一品。

梅酒サワーかと思ったウメサワーは潰し梅干し入りサワーだったのでありました。



しかし、モツ煮込みもうちょっと食べたいね。

すみません、モツ煮込み、おかわりいいですか?



選択できるのかと思いきや、五本縛りの規則に緩和なし。
でも大丈夫。
塾長という強い味方がつきました。

そんなわけで



煮卵なんかも追加出来ちゃったりしたのでした。



仲間っていいねえ。

いつの間にか吊り上がり気味だった目も垂れて、すっかり笑顔でご馳走様。





店を出ると外はぱらつく冷たい雨。

塾長の小さな折りたたみ傘を三人で相合い傘で町屋の駅に向かったのでありました。