女性経営者のための風水空間プロデゥーサー、横川明子です。
台北孔子廟へ。
学業成就、試験合格など、学問を志す人々の訪れる場所。
東京育ちの私にとって、受験といえば、菅原道真公の祀られた上野にある湯島天神が思い浮かびますが、孔子廟である湯島聖堂の存在は、恥ずかしながら知りませんでした。
実は、孔子廟の存在というのは、沖縄に移住して初めて知りました。那覇の孔子廟に初めて足を運んだ時は、日本の神社とは、ずいぶん雰囲気が違っていて、異国に迷い込んでような気分になりました。
池上永一さんの「テンペスト」を読むと、当時、王府の役人になるための試験を受ける前に、受験生が孔子廟にお参りに行くシーンが描かれています。
台北の孔子廟は、1879年創建。台北城の完成と近いので、台北城を守る重要な廟として、建設されたのでしょうか。建設当初は、小南門の近くにあったそうですが、1939年に現在の場所へ。典型的な福建南部の建築様式とのことです。
龍山寺や行天宮に比べると、参拝者は少なく静かな廟です。
孔子廟では、大きな麒麟(きりん)の絵が、とても印象的でした。
正面入口の門
大きな麒麟(きりん)の絵が印象的でした。
孔子が生まれたとき、麒麟が部屋に駆け込んできて、玉書を吐き出し、聖人の誕生を告げたという伝承があるそうです。
ここに描かれている麒麟の4本の足には、知識を学んで礼に達することを象徴する「書物」、富と幸福の象徴「ヒョウタン」、とんとん拍子の出世を意味する「官印」、万事想い通りになる「如意」というおめでたい宝を、足首にくくり付けてられています。
麒麟の前には池があり、石の太鼓橋が見えますが、その欄干は竹の節が彫刻で表現され、その欄干上部が、筆の頭のようになっています。「文筆柱頭」といって、高潔さや文運を象徴しているそうです。
正殿。
正殿前の龍の彫刻。
北の建築には、美しい彫刻の数々を見ることができますが、そこには、常に縁起物や吉祥を表すモチーフが丁寧に描かれています。
私たちは視覚から得る情報の影響を常に受けています。目に映るものから、どんな心理状態になり、無意識レベルにどのような情報が常に送り込まれているのかを逆算して、物事が良い方向へ向かうように願いを込めて作られたのでしょう。
感覚だけにたよったものづくりでは、たまたま良いものができることがあっても再現性は低いですが、理論や哲学をベースに意図的に作られたものは、時間や空間を超えて、メッセージを投げかけ続けます。
古人のメッセージを受けとるためには、同等の知識を学び、同じ世界観を持つことが必要になってきますので、こういう建築に出会うと、もっともっと深く学んでいきたいという気持ちになります。
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