沖縄より、横川明子です。
風水師として仕事をしていく上の能力で、とても大切だと思っていることに、「直観力」があります。
いわゆる第六感も、もちろん重要なのですが、「精度の高い予測を瞬間的にできる能力」という意味での直観力を、日々訓練によって、身につけていくことが、大切だと思っています。
直観力の精度を上げるためには、地道な単純作業を継続していくことが、近道に他なりません。
文献を読む、読む、読む。そして、経験を積む。そして、フィールドワークに出て、歩く、見る、考える、調べるという作業を、繰りかえてしていきます。
私は、通常このフィールドワークを、健康維持のための散歩と兼用しており、沖縄県内の各地を歩きまわっています。
先日は、うるま市にある浜比嘉島に行ってきました。
浜比嘉島には、すでに3回ほど行っているのですが、最初のうちは土地勘をある程度身につけることしかできませんので、何も見えません。
ようやく、集落の形が見えてきたので、詳細に見てみようと出かけました。
集落を見に行く前には、まず、Google Earthで、全体を俯瞰して、集落の座向、つまり、どっちの方向を向いているのか、ある程度予測をしてから、出かけます。
島の北東エリアにある、比嘉集落。この形だけみると、集落は、北東を向き、南西が集落の背中になっていて、きっと、その背中側に御嶽(その集落の先祖が祀られている聖域)があり、御嶽は、腰当の森によって、守られているだろうなと考えます。
通常、集落の向きと同じ向きで、集落の中の民家の座向も決まります。
しかしこれまでの経験から、北側、東側が海になっている場合、通常通りにはいかないケースがあります。
冬の季節風や台風が、海風と合わさって、北側や東側からの悪い風の氣の影響が強くなるため、集落が北東を向いていても、集落内の各民家は、海を背にして、南側の御嶽側を向いている可能性もあります。その選択肢にも配慮しながら、集落を歩き始めました。
沖縄で、王朝時代の集落の文献調査をしていると、調査対象の集落は、北を背にして、南側を向いているというのが前提になっいるものが多く、フィールドワークをはじめる前は、全ての集落がそういう形になっているのかと思っていました。
しかし、現場に出向いてみると、教科書どおりにはいかないことばかりで、最初のころは、驚いたものです。
さて、実際、比嘉集落の中を歩いてみると、集落そのものは、その地勢的要素から、南西を背に、北東を向いています。しかし、集落の各家は、海側の北東を背にして、南西を向いている傾向が見られました。
比嘉集落が、王朝時代に風水師が派遣され、その意見が反映されて造られた集落かどうかは、まだ文献で確認できていませんが、これまでの経験から、直観的には、風水師が派遣されて都市計画がなされたのではと感じています。
ゴバン状になっていますし、各敷地の前面道路はきちんと南側にあって、民家が南面して建てられるようになっています。道路もゆるやかにカーブして、氣が直進しないよう、風がスピードを上げすぎないよう、ゆるやかなカーブも見られました。
集落の形は、風水の四神相応理論が当てはまりますが、集落と住宅の座向が逆というのは、一つの風水理論からだけでは、説明することができません。しかし、琉球風水らしいと感じます。
王朝時代の風水師は、地勢を読取る技術に長けており、山や海、川などの地勢的要因に、上手く方位をあわせていますが、自然というのはいろんな形があり、理想的な地勢ばかりではないわけです。
そこで、地勢に加えて、沖縄独特の風の影響や、太陽の運行を見て、総合的に、風水判断を行うということが、行われていたようです。
日本本土の一般書の風水本には、北東は鬼門で一概に良くない、神棚は東か南を向いていないといけない、自分の九星が入る方位にトイレがあってはいけないなどなど、方位に関する決まりがたくさん書いてあります。
しかし、テスト勉強のように、答えを暗記して、問題に当てはめれば正解が出るなどといった簡単な方法では、とても風水の良い家造りなどできません。
特に、台風、冬の季節風、強い日光など、気象条件の厳しい沖縄では、現実的に、生活が持続可能かどうかのほうが、重要でした。
安全、安心に生活を続けることを目的に、風水理論を、手段として利用しているのです。
一見、このような行動が、現代住宅の風水鑑定とどのようにリンクするのか、わかりにくいかもしれませんが、こうした地味な経験の繰り返しが、直観力の精度をあげていくものなのだと感じています。
住宅の場合には、その土地の形と周辺環境、そして、太陽や風の影響などを考慮し、家の座向、つまり向きを見ることから始まります。
住宅の向きを判断する際に、王城や集落をどれだけ観察し、分析してきたかという経験が、大きな力になっていると感じます。
家造りに風水を取り入れたいと思っている方や、風水を真剣に勉強したいと思っている方は、一般書に書かれた風水の答えを丸暗記する方法論をできるだけ早く卒業し、専門書を読んだり、風水が取り入れられた建物を実際に見るなどして、風水の本質に触れることをお勧めします。
理論から詳しく書かれた専門書を読むことで、風水鑑定の元になる理論を理解することにより、自分で正解を見つけ出せる応用力をつけていくと、風水を取り入れることに、大きな意義を見出すことができます。
「○○は悪い」と書かれていることにも、何かしらきちんとした風水的な意味があります。その意味を理解し、対処法を行えば、難を避けるのは、難しいことではありません。
人生と財産をかけて取り組む家造り。「本に書いてあるから、正しいに違いない」というレベルから、前提を疑い、ご自身で、納得し信用できる考え方を、是非見つけ出してください。
家造りで一番大切なのは、そこに住む人がどんな暮らしをしたいのかというゴール設定です。その夢を実現するために、何が役に立つのかと考えたとき、その候補ツールの一つが、風水です。
沖縄でフィールドワークをしていて、風水判断の難しい土地に立った時、「きっと王朝時代の風水師も、判断がむずかしかったんだろうな」と、時間軸を超えて思いをはせることがあります。
「もし、私だったら、この判断をしただろうか、他にどういう可能性があるだろうか」と、常に当事者となって、主観的に考える訓練を続けることで、これからのより良い風水鑑定につなげていきたいと思います。
今回は、調査というより、見学とか、ロケハンくらいのイメージです。現段階は、ただ、見ただけの状態です。 参考文献など、ご存知の方は、是非、ご教授くださいませ。
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