句作その605…猿の軍団 | まりんぼったの独り言

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ヨウムのまりん(2000年生まれ)との日々…
笑ったり、怒ったり、ひたすらにぎやかな日常の中で、私(なまちゃん)の日々も流れて行きます。
調子に乗って、俳句、短歌、川柳、小説なども。
秘境に1人暮らしをしている母も92歳になりました。



    ▷ ボス猿の指揮下軍団走る夏


    季語……夏


   ▷  猿の食ぶ親指ほどの新藷よ


   季語……新藷(しんいも)……夏



   長雨が止んで、真夏の太陽が秘境の
   畑を照らす頃。


   音もなく、奴らがやって来る。

  50匹もの猿の軍団だ。

   毎年、夏野菜が熟れる頃、時ならぬ母
   からの電話に驚かされる❗

 
   「猿が何もかも持って行ったよ❗」



    今年は、少し状況が違った❗


    今年の猿は、秘境の母の畑を襲う前に、
    谷一つ隔てた隣家のSさんの畑に
    現れた。


    Sさんは在宅していたのに、僅かな
     時間に若いとうもろこしと、まだ
     親指大にしか育っていないサツマイモ
     を根こそぎやられてしまった。


    「猿がそっちに向かっているよ」

     Sさんからの電話に、慌てて母が
     畑に出て見ると、折しもボス猿が
     見張りに立ち、モロッコ菜豆(さいとう)
     を、千切りに掛かっているところだ❗


     母は、咄嗟に傍にあった鉄製の管を
     掴み、走りながら怒鳴ったムキー雷雷


     「コラーッ💢💢💨」

     驚いたのは猿である。

     まさに、蜘蛛の子を散らしたように、
    四方に散って逃げて行った。


   後にSさんがやって来て、2人で話し
   合った。

    「私は、猿が何かをしそうで怖くて、
       追い払えないんよ」とSさん。



    Sさんより母の方が高齢で、脚も弱い
     のだが、負けん気の強さは天下一品。



     平気で猿に向かって行くし、一度は
     下の畑に猪が出ていた時、大きな
      石を背中に投げつけたこともある。


     致命傷にはならなかったが、猪もさぞ
     驚いたことだろう。


    とは言え、離れて暮らす娘としては、
     高齢の母が猿軍団に戦いを挑んでいく
     姿は、少しばかり刺激が強いのである。


    






   ※ 五月の連休最後の日に、4人で力を
      合わせて、夏野菜を植え付けました。

     猿にやられては、たまったものでは
     ありません。




    



   「カッコさん、幾ら温めても、これって
       胡瓜だよね?
       ボク、胡瓜って好きじゃないんだよ」