紅葉が色づき、落ち葉のじゅうたんが敷き詰められる中、実家の東京にきています。
住み慣れた家を完全に引き払い、約六年半過ごした九州、福岡を後にし、旅立ちへのカウントダウンをしています。
タイの島で出会った人にすすめらて、その勢いで一人やって来た福岡。
友達もおらず、住むところもなく、仕事もなく、もちろん彼氏なんぞおらず、当てもなくやって来て、辿り着いた博多駅を目のあたりにした時は、想像とかけ離れた都会っぷりに、かなり驚いたものだった。
「‥‥ここは東京駅? 来るとこ間違えたんじゃ‥」
中州の屋台をふらつき、高いけどあまり美味しいとは言えない焼き鳥を食べ、ビールを飲み、となりで、「麺、バリ堅で」とシャウトしているおいさんと意気投合して、酔っぱらいながら、
何だ、いいところじゃないか、と中州の川を眺めている時は、まさか、腰を数年間据えて、家族ができるなんて思ってもいなかった。
友達に引かれるくらい、一人行動が好きな私にとって、開拓するのは本当に楽しみで、とにかく、
一人でありとあらゆる色んな所に飲みに行ったりした。
その結果、気にいる街が見つかり、そこに住み、仕事も始めたある日。
行きつけの焼き鳥やさんのお母さんから、同じ臭いのする人たちが集まる場所に連れて行ってくれる、と、30キロ離れたその場所に自転車でビールを飲みに行ったのが全てのきっかけだった。
その海辺のある店で旦那さんと出会ってから、たくさんの素敵で愉快な人たちと出逢ってから、私の人生はかなり大きく変わった。
もし、そこに辿り着いていなければ、今、私は、何処でなにをしているかわからない。
もっと南に南下したかもしれないし、違う国で旅生活をしていたかもしれない。
家族もいなかったと思う。
けど結局、その、もし、はないわけで、やっぱり、だから今を生きるのは面白い。
「今」のことがこれからの全てにつながる。
旅に出てからも、つながってく「今」を大事にしたいな。
数年間、九州で落ち着いて生活していたので、色んな人とつながれた。
大都会と比べて、横つながりの関係が温かくて、ほっとできる環境だった。
心の底から語り合える友達も出来たし、もう、私の場所はここなんだ、って思えて、淋しい気持ちにならなかった。
だから、今回、いったん離れる時は、本当にぐっときました。
何もなくなった家とか、
息子と仲の良い、友達の娘っ子が離れる時とか。
旅立つまえの最後のイベントとか。
けど、最後は、息子のBowちゃんも狂って笑い転げながら、夜中まで踊ってました。
本当にいい思い出。
ただ、ピンときて、直感で動いてやってきて良かった。
その時の、今の、選択から、すべてがつながる。
この、今からしようとしているこの旅も、あの直感からつながったもの。
大事にしたい。そして出逢えた事に心から感謝したい。
ありがとう。沢山の沢山の思い出がつまった九州。
出発まであと四日‥!