山茶花

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花言葉は
「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」
(白)「愛嬌」「理想の恋」
(桃・赤)「理性」「謙遜」



『医仙。あんた本当に良いのかぃ?』

天門が開く日が、分かったって聞いたんだ。
それなのに相変わらず、うちの店に来ては
「おねぇさん、何か食べさせてちょうだい。お腹が空き過ぎておかしくなるわ」
そう言って匙を握って微笑んでいる。
黙って座っていれば本物の天女のようなんだが、一度口を開けば

今日のクッパの具が少ない。
もう少し温かい方がいい。
ヨンが来ないうちに食べないと意地汚いと言われる。

ごちゃごちゃと五月蝿い事を言う、それなのに今日はいやに静かなんだ。
『どうしたんだぃ』
「何が?お腹の調子は良いわよ」
『そんな事を聞いてるんじゃないよ』
黙って下を向いた。

『医仙。あんた本当に良いのかぃ?』

『良い男だと思うが、あの程度の男なら天界にもいるだろう』
そう聞いた事があった。
返って来た言葉は
「そうね~いるかもしれないけれど、あの人が良いのよ。不器用で自分の思っている事を半分も言わない。その癖思い込みが激しくて、俺ではダメですか?なんてしみったれた顔で聞くのよ~放っておけないわ」
店の入り口で立って話をしていたヨンを眺めて愛おしそうに呟いた。

「いいのよ~それに開くのは、今日なのよ」

天門までは、どうやっても行けないわ~。そう言い、無邪気に笑うんだ。
『やっぱり帰りたいじゃないのかぃ、あんた』そう言いかけた時だった。
息を切らせたヨンが入ってきて
『此処に居たのですか』
もう寒い季節だと言うのに彼奴の額には大きな汗の珠が浮き上がっている。
「探したの?」
『はい、方々・・・貴女の事だから、もしやと思い』
汗と一緒に潤んだ瞳が微かに光った、そんな顔なんて終ぞ見た事ない。
「いい加減にして、ちょうだい。私を信用出来ないの」
『俺は、自信がありませぬ』
「例え帰る事があったとしても、あなたを連れて行くわ」

あなたが私を離したくないんじゃない、私があなたを離したくないのよ。
匙を一振りして私は言った。
「食べさせてちょうだい、ヨンァ」
『俺の体面はどうなりますか?』
「あなたの体面は、犬に喰わせたのではなくて?それにその顔で走り回ったのでしょう。もう拾いたくっても、どこにも落ちてないわね」
笑いながら、額の汗を胸から出した手拭いで拭いてあげると
『もう俺は心配せずと良いのですね』
そう言って私の手を握りしめた。

不安になるのは、私だけじゃない。
だから、声を張り上げて言ってしまうのよ。

あなた、私の男でしょう・・・って