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瞳に涙がなければ、魂に虹は見えない。
これは、ネイティブ·アメリカンの言葉です。
つらいとき、悲しいとき、嬉しいとき、感動したとき、
人は涙を流します。
感情がうち震えるときに、魂に虹がかかるのでしょう。
あなたが流した涙はいったいどこへ行ってしまうのでしょう？
涙は、ぽろぽろ落ちて、蒸発して空に漂います。
蒸発する、というとなくなってしまうのでは、と考えがちですが、
地球上の大気のなかには、かならず存在しています。
異空間に行ってしまうのではないのです。
蒸発したあなたの涙は、やがて、集まって水蒸気となり、雲となり、雨となって地面に降り注ぎます。
今日も世界のどこかで、誰が涙を流して泣いています。
毎日、毎日。
一日分の量を計ったら、とんでもない量になることでしょう。
涙は、ぽろぽろ落ちて、蒸発して空に飛んでいきます。
いま空に漂っている雲には、およそ80年前に泣いた人の涙が含まれているそうです。
そして、いずれ雨となって地面に降り注ぎます。
８０年前に誰かが流した涙が、今のあなたの頭上に降ってくるのです。
そういえば、雨の日はなにか物悲しい気分になります。
そして、今日流したあなたの涙は、80年後の未来の人に降りそそぎます。
80年後の大地を潤す、恵みとなることでしょう。
今日の恵みの雨は、80年前に生きた人が私たちのために泣いた、涙のひとひらです。
そして、あなたが今日流す涙は、80年後の未来の人のために泣くんです。
泣いていいんです。
感情の赴くままに。
涙のあとには、きれいな虹が見えるはずですから。