そんな事言っても、そろそろ本編も進めないと・・・。


ということで。

謀略の連鎖【第十三話】

大韓民国(韓国)の大統領府。

執務室に、現大統領シン・スバク(ペ・ヨンジュンさん)がいた。

彼は、外見も然ることながら、優しい微笑みと、弱者に寄り添う政策で国民に絶大な支持を得ていた。


その前には、国家情報局国情院院長イ・ソングク(チ・ジニさん)が立っていた。





『院長、このままでは、我々の理想の実現は遠くなるばかりじゃないか?』スバクは、表の雰囲気とは全く異なる様子で冷たく言い放つ。

『なかなか、難しいな。何しろ、日本の公安の警護が思ったより手強いんだ。』

『彼女に1日も早くあのシステムを我が国で完成させてもらわなければならない。俺達の未来がかかっているんだ。』

『しかし、本当にそんな事が、可能なのか?』

『何言ってる(笑)』

スバクは、笑いながらも真剣に言う。

『お前は、世が世ならこの国の王だぞ。分かっているのか?』

『それは・・・。』

『アノ装置が完成し、タイムリープで、李氏朝鮮第16代国王仁祖の愚行を止め、何としてもソヒョン世子(昭顕世子)の命を救わねばならない。彼が国王に即位していれば、現在でも李氏朝鮮の王室は続いていただろう。朝鮮半島の分断もなかった筈だ。そうなれば、李氏朝鮮の直系のお前は、この国の国王だ。』

『大統領、そこまでして、私は・・・』

『ソングク、ソヒョン世子は、素晴らしい方だ。カトリック信者であり、科学者であり博識且つ広い世界をご存知の方だった。彼ならば、韓国の未来を変えてくれる。』

あの事件さえなければ、とシン・スバクは思う。

(李氏朝鮮時代、ソヒョン世子の暗殺の回想。ソヒョン世子は、是非、イ・ドンゴンさんに演じていただきたい。)



ソヒョン世子(イ・ドンゴンさん)

ソヒョン世子は、父仁祖が、愚かだったため直系の長男でありながら9年もの間、清国の人質として清国に滞在する。

仁祖は、李氏朝鮮が清国の属国に甘んじる羽目になる原因を作った男だ。
しかし、ソヒョン世子は、賢明なカリスマのある男であった。
世界情勢を観ながら、良質な米を造り清国に献上する。それを利用して母国へ人質になった人々を帰国させたりなど、功績は計り知れない。
その男を仁祖は、自分の地位を脅かす存在として、実の息子でありながら帰国直後暗殺した。

李氏朝鮮の衰退は、ここから始まる。
しかし、スバクが何故ここまでして、ソヒョン世子にこだわるのかは、子孫であるソングクにも分からない。
スバクは、ソングクにとって、幼馴染であり、盟友でもある。
時々、ゾッとするような眼差しでソングクを見つめる時がある。
何を考えているのか分からない時も。

『1日も早く、鷹埜ミヤビを確保しろ。我が国に連れて来い。』
『了解しました。』
ソングクは、静かに大統領府をあとにした。

『ケン、日本の状況を報告しろ。』
国情院エージェントケン・ソゴル(ソン・スンホン様)。
彼の姿は、ミヤビの側にあった。


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