朝ドラ『おかえりモネ』以来、全く観ていなかったが、朝ドラ『虎に翼』が面白い。


大好きな松山ケンイチさんが出ているので、というのがキッカケだが、いやストーリーがなかなか面白い。

何故なら、史実と同じだからだ。

主人公寅子の父の事件は、史実では『帝人事件』である。

これは、海軍軍人である斎藤実内閣を総辞職に追い込んだ。

この斎藤実という人、軍人ながら大変欧米文化に精通した方で、リベラルと言っていい。英会話もネイティブ並みだったとか。

昭和天皇の信頼も厚かった。

まあ、だから右派に睨まれた。

そして、2・26事件で命を落とす。この事件の主謀者達、陸軍将校が、昭和天皇の怒りを買う契機になった人物である。

モロボシ・ダン(森次晃嗣さん)の人は、史実では、多分、平沼騏一郎という人。

検事総長も務め、司法権力を検察に集め挙げ句、天下の悪法『治安維持法』の基を創った。

A級戦犯として終身刑となる。

まあ、日本史ではあんまり教えない歴史だから、実に面白い。

来週も楽しみ!


いや、ソン・スンホン様の『プレーヤー2〜クンたちの戦争〜』も楽しみ!



見えない闇【第22話】


ミヤビ(イ・ジアさん)は、不安だった。そして孤独に包まれていた。

例の装置はもうすぐ完成する。

しかし、一体なんの為に私はコレを完成させようとしているのか?

日本政府の要請だから?



いや、違う。

研究者にとって、好きなだけ予算があり、研究に没頭出来るのはありがたいことだ。

結局、ミヤビにとって、自分の存在する意味をここでしか見いだせなかったからだ。

だから、必死に完成を目指した。


心から愛した人は既に無く、愛される事もない。

自分を取り巻く人間は誰も信用できない。

何故なら、自分はこの時代の人間ではない。

慣れない時代で、全く違う価値観の中で、時空の歪みに苦しみながら生きている。

あれほど頼りにしていた石丸(北村一輝さん)も最近、側に居ない。

彼だって、このプロジェクトに私が関わっていなければ、ここまで関心を持たなかった筈だ。

ミヤビは、何もかも虚しかった。



昔から、そうだったではないか。

今に始まったことではない。

ミヤビは、自分に言い聞かせた。


私には、いつもつき纏う闇がある。

『Blackmatter、光と影』

Blackmatterとは、私の事だ。

特殊な能力を持つ、あってはならない存在。

その闇に触れた人々は、皆、去っていく。それが、私の宿命なのだ。


『ミヤビ先生?』

ハッとして後ろを振り向くと、同僚の真島(坂口健太郎さん)が立っていた。

『ちょっと、ひと休みしたらどうです?疲れてませんか?』



『アノ・・・真島先生、あっコーヒー入れますね。』

『僕の気持ち、分かりました?』

優しい真島の笑顔がミヤビは何故か哀しかった。

石丸もケン・ソゴルも今、側に居ない。


いきなり、真島が後ろからミヤビを抱きしめた。

ミヤビは、身動き出来ない。

真島が耳元で囁いた。

『どうです。プロジェクトは順調ですか?』

えっ、何故、真島がそれを知ってるのか?

大学関係者は、殆ど知らない筈だ。ましてや、大学講師の真島が知るわけがない。

『プロジェクト?何の事だか。』

『まぁいい。ミヤビ先生、時間はたっぷりある。急ぐ事はない。いや、逆に急いでもらっては困るんだ。』

その瞬間、真島はミヤビの首元に注射をした。

ミヤビは、気を失い倒れた。



真島は、普通の携帯ではない通信機器で誰かに電話をする。
『I obtained(確保した)』

ケン・ソゴル(ソン・スンホン様)が、帰国命令が下りミヤビの所に戻るまでの一瞬の出来事だった。