本編の構想はあるものの、なんと例の日曜劇場『VIVANT』の続編の舞台が韓国という情報が入り、全くテンションだだ下がりである。


何か、めっちゃむかつく!


過去からの手紙【スピンオフ4】

葬儀当日、ケン(ソン・スンホン様)の遺体が消えてから、何日か経った。


ミヤビ(イ・ジアさん)は、自分が銃撃事件でどのような行動をしたか、全く覚えてはいない。

パク・レイ(クリスタルさん)もミヤビが撃った筈の人間達もいつの間にか姿を消していた。


スコットランド・ヤードの表面的な家宅捜査も終わり、普段の生活に戻ったミヤビと晄だった。


ケンは、白いワイシャツがよく似合う。

ミヤビは、ケンに思いを馳せ、涙をふっと流す。その瞬間、あたたかな温もりが身体を包むような感じに襲われる。


晄は、オックスフォード大の編入を決め、楽しそうに大学に通っている。

きっとミヤビに要らぬ心配をかけぬよう元気に振る舞っているのだろう。

ケンとの思い出のあるこのロンドン郊外で暫く暮らすとミヤビは、決めていた


ある日、一通の手紙が届いた。

それは、ケン・ソゴルからのものであった。


ミヤビへ

君がこの手紙を読んでいると言うことは、俺はこの世に居ないってことだな。

今風に、動画でも撮っておけばいいかもしれないが、俺らしくないから辞めとくよ。


ミヤビ、頼むから自分を責めたり悲しまないで欲しいんだ。

俺の死は、君のせいじゃあない。

俺は、幼い頃から君だけを見てきたんだよ。

俺は、エージェントとして育てられ、MI6に忠誠を誓った。

国益のため働くように。

しかし、俺の故郷は、国は、君だけなんだ。

君が、俺の全てなんだよ。

だから、故郷を守るのは、当たり前だろ?

君が、どんなに辛い思いをしながら歯を食いしばって生きてきたのかは俺が、一番分かっている。


心が壊れそうになってもいつだって君は、優しさと笑顔を忘れない。

どうして、そんな強さを持っているのか。

俺は、君が居たから、生きてこられたんだよ。

たとえ、君に愛されなかったとしても良かったんだ。

人間の欲望や醜さに晒されながら、君が俺の光だった。

君を守る事が俺の喜びなんだ。

それぞれの国益など関係ない。


だから、これからも強く生きてほしい。

さよならなんかじゃない。

俺は、ずっといつも君と一緒だよ。


君は、俺をやっと見てくれた。


俺は、

世界一、幸せだ。

           ケンより




ミヤビは、ケンが亡くなってから、初めて声をあげて叫ぶように泣いた。

どうしょうもない悲しみが、ミヤビを包む。

この手紙が、ミヤビにケンが本当に亡くなってしまったと思いしらせる。

しかし、それと同時にやはりあのあたたかな温もりに包まれていた。


暗い一室にひとりの男がいた。

目の前には、水槽のようなモノがある。

NATO(北大西洋条約機構)の諜報室の一室である。

NATOの本部は、ベルギーのブリュッセルにあるが、諜報室の本部は、ドイツのボンにある。

その水槽の中に、人間の身体がみえる。どうやら、酸素が送られている。

その人間は、確かに呼吸をしている。

一瞬、明るい光が水槽を見つめる男を照らす。

その男は、確かに真島蒔人(坂口健太郎さん)だった。



音楽は、手嶌葵さんの『WinterLight』でお願いします。