(再掲載)


骨董通りで打ち合わせ相手と別れたときは夕刻。

次の打ち合わせは世田谷だし、地下鉄の時間を
考えても、まだかなり時間があるなあ。

と、いうわけで行ったことのないバーを探して
通りをひとり、フラフラと。


今さらなんですが、私、バーが好きなんです。
え?
そんなのブログ読んでりゃわかるって?

でもね。
別にレストランや居酒屋が嫌いってワケじゃありませんよ。

カクテルばっかり呑むわけじゃなし
毎日バーというのもねえ。

え?
毎日行けなんて、ダレも言ってないって?
それは失礼しました。(笑)

で、
青山の路地にて。

バーらしき看板を見つけたので行ってみました。


かの有名なジャズクラブ「ブルーノート」
の近くにあります。

入り口といっても、下りの階段が見えて、その手前に
譜面台のようなものが置いてあり、スポットライトが
当たっているだけだから、ものすごくわかりにくい。

この階段を降りていって、本当にこの先に店があるのか?
ドキドキしながら行くと・・・

打ちっぱなしのコンクリートの壁に沿って
植えられた木立が綺麗な陰影を作り、
その中にぼ~~
っと
大きくオープンテラスのように開いたガラス越しに
照明が浮かび上がる、美しいバーがありました!

おお~。

探してた店だ~。

さっそく入ります。


「いらっしゃいませ」


「ひとりなんだけど、いいかしら?」


「もちろんです。どうぞこちらへ」


なんて会話が交わされまして。



カウンターの端に座りました。

マティーニから始めます。
バーテンダーは、若いけれど、手馴れた感じ。

さすがに場所柄なんでしょうね。
そのあと注文したオーセンティックなメニューも
私に酸味などの好みを聞きつつ
レシピ通りに次々とこなしていき・・・

黒を貴重としたインテリアは、
あたたかい色味の照明がよく映えて心地いい感じ。

でも、この先まだ仕事があるので、それも告げて
ほどほどに呑んでいたのですが・・・

私が座ったのと反対側の

長いカウンターの端は、お洒落な感じの50代くらいの
おじさまがいらっしゃいまして。

バーテンダー二人にお説教をね。

お説教する50代男性はあまりに多いので
そういう光景はある意味日常的なのですが

聞いているとその内容が凄い。
私が注文出すたびに

「おまえら、しっかり作れよ!」
「腕がなっとらん!」
「ちゃんと働かねぇんだから。しょうがねえ店だ。」

お上品な容姿に似合わず、口が悪いのなんの。
(これ以上のことはここには書きませんが・笑)

あんまり命令口調なので、最初、このお店の
オーナーかと思いました。

でも、よくよく聞いてみると、常連さんなの。
このご近所にある、あるブランドショップの店長さんらしい。


ほほう。
おもしろい。

まりもままは、この悪口雑言紳士との会話を肴に
呑むことにしました。

話してみるととってもいい方で。
私に対しては(なんたって初対面ですしね!)
すごく丁寧なお話しぶりで。
でもけっこう酔っていらっしゃるようでした。(笑)

1時間半くらい、そこに居たかしらね。

新鮮な果物がとっても美味しそうだったので
最後にもう一杯。

と、ゆうことで
ホーゼスネックを頼みました。

ブランデー と
ジンジャーエールと
レモンの入ったカクテルです。

レモンの皮を
螺旋状にむいて
端をグラスの縁にかけて、材料を注ぐのですが

ブランデーに限らず、ウィスキー、ジン、ラム
など、色々なスピリッツがベースに使われます。

「ジンジャーエールは辛口と甘口と
ございますが、どちらがお好きですか?」と聞かれたので

「辛口を」

「あの・・・うちはウィルキンソン社のジンジャーエールを
使っておりまして・・・とても辛く感じる方もいらっしゃるのですが
大丈夫でしょうか?」と心配そうなバーテンダーさん。

「あ。だいじょうぶ。ウィルキンソンのジンジャーエール
大好きだからあ」と、まりもまま。


ごくごくごく。

あ~。おいち~。


レモンの酸味がジンジャーの辛味と合わさって

とっても爽やか。

でも、ブランデー使ってるからコクがあります。

ジンジャーエールのみでノンアルコールのホーゼスネックも
あるので、気になった方はぜひお試しください。

ホーゼスネックは、「馬のたてがみ」
という意味なんですって。
だから螺旋状に作る、レモンのカットが重要。

ここのバーテンダーさんはとっても上手でしたよ。
でも、混雑している店や注文がたてこんで
いる時にオーダーしない方がいいと思います。

むきむきするのに、時間かかりますからね。(笑)



そんな、青山の見知らぬバーで見知らぬ人と
呑んだ、お話でした。

(画像は、鎌倉クルベルキャンのホーゼスネックです)