就労支援推進計画、始動 | marimo's blog

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青年海外協力隊で、作業療法士としてヨルダンに派遣されています!

文化も習慣も全く違うこのイスラム社会で、
山あり谷あり奮闘しながら、2年間の活動を綴ります!

最近の近況報告です。

新しい活動先で活動し始めて、もうすぐ2か月。
相変わらず、ここという場所を決めずに、色んな部門をうろうろさせてもらっています。

どこの部門の学生も私のことを覚えてくれて、ブチューっと思いっきりキスしてくる子や、握手を求めてくる子、抱きついて離れない子、足を踏みまくる子(笑)、反応が様々でなかなか楽しいです。

先生とも慣れ、殆どの先生と話すことが出来るようになってきました。


沖縄で障がい者の就労支援について学んできたという私の同僚のナディアは、就労支援部門ではないのですが、私のミッションを理解してくれて、どんなに忙しくても、私の話に耳を傾けてくれようとします。

私がヨルダンにおける就労支援のアイディアを出すと、一緒になって考えてくれます。

私は当時、日本に行ったナディアと、就労支援部門のチーフとの情報交換があまりなされていないと思っていて、私が彼にも伝えた?と当初はよく聞いていましたが、今は私が言う前に、「彼にも伝えるね。」と言ってきてくれます。

一先ず人間関係で悩むことはなさそうなので安心しています。


センターでの新しい今後の方針は、「就労支援」です。
そのため、同僚のナディアがJICA沖縄に行って、3週間近くも研修を受けてきたのです。

生活の自立のためのプログラムは、アメリカや他の国からのボランティアが来ていた経緯もありって既に沢山あるのです。

が、就労についてはまだまだ。
ということでセンター自体も外部のアイディアを吸収したいのだそう。


ただ、センターのトップが就労に焦点を当てていても、先生達にそれが伝わっている感じがしないので、ここをなんとかしたいなぁと思うのです。

というのも、
センター内で陶芸、籐細工、モザイク、木工、園芸の先生を見ていると、
先生が頑張ってしまって、ストイックに作品を作ることに夢中になっていることが多いのです。

陶芸では先生が大きな壺などの大作を作る傍ら、生徒達は売れそうにないもの、例えば陶芸では渦巻をひたすら作っていたり、ただこねているだけであったり、、、
籐細工では、先生が作ったものにボンドを薄めたもので塗る作業が主で、実際に籐を初めから編める生徒は皆無、、、
ビーズは作っては壊し、作っては壊しを繰り返していて作品になっていない現状、、、

生徒が先生の補佐というか、お手伝いをしているように見えてしまってなりません。

売れるような「作品を生徒が作る」という雰囲気が無いこと、就労を希望する生徒であっても「その作業の先の目標に就労という言葉が見合わないこと」が気になってしまいます。


そこで、沖縄での研修を無駄にしないため、センターの目標とすることを皆に知ってもらうため、センター内伝達講習会を提案してみました。
ボスの前で提案したこともあってか、面倒がられるのかと思いきや、すんなりOK。
でもナディアの仕事量を増やしたくなかったので、スライド選びやパワーポイントのアレンジ等は主に私、ナディアには確認と相談と仕上げを行ってもらうことにしました。

あと少しでスライド完成です!


また、就労部門にいながら、そこに居場所があるだけで十分と感じている生徒や家族もいると思うので、同時に家族ニーズ調査、学生ニーズ調査も進めています。
誰が働きたいのか、誰が働ける可能性があるのかを把握していないのでは本末転倒です。

早速就労部門のチーフが家族面談で沖縄の知的障がい者の就労場面のスライドも一緒に使ってくれていたみたいで嬉しかったです。

私の目標は2本柱!!
一つ目は、学生や卒業生とどこかの職場をコネクトして、学生と企業の橋渡し的なjob coachの役割を担うこと
もう一つは、センター内で就労(少しでも、お金を得る)ことができるようになるモデルケースや仕組みを作る事


そんなこんなで、情報収集のために就労支援業務の一環として就職説明会に顔を出したり、日本の知的障がい者雇用の現状を伝えながら企業に交渉したり、他センターとのコネクションを作ったり、パタパタ動いています。


先日は、職業訓練部門の学生の選抜5名が毎週行っている、某外資資本の5つ星ホテルに、私もついて行きました。

実はここまでも長~い道のりでした。
活動が始まってからこのホテル訪問はずっとお願いしていて、でもセキュリティーが厳しいからと言う理由で暫く断られ続けていたのです。
それでもめげずにお願いし、やっとOKが出て日取りが決まったと思ったら当日に中止になり、、、という感じでなかなか思うようには見学できなかったのです。

ただ、まぁヨルダン生活ももう一年も経てばこんなことは想像の範囲内になってしまって、行けてラッキーと思うまで成長しました笑。ねこへび



そのホテルは、就労訓練の一環として知的障がいのある学生を受け入れてくれているのです。
ヨルダンで身体に障がいのある方に比べて知的障がいの方には差別、偏見が強く、殆どの人が働かせてもらえない、知的障がいがある方への雇用受け入れが思いつきもしない(家族も、です)といった風潮の中、そのホテルの上の人の寛大な考えにはとても素晴らしいですし、感謝します。
このホテルに週に一回行くメリットは、履歴書にこの経験を書ける事、彼ら自身の自信になることだと思います。

そのホテル業務の内容は、シェフが捨ててといったものを捨てる、冷蔵庫に物を置く、卵をパックから出して並べる、洗う等の簡単な作業です。
ただ、作業が少なすぎてぼーっと突っ立っている時間や見ている時間が殆どでした。

一緒に行ったスタッフと私がさせてもらえる簡単な作業も、私が「この子なら大丈夫」と思った学生に手袋をはめさせ、「この学生にもさせてもらえますか?」とシェフに聞いた所、断られてしまいました。

シェフが職人気質で、初めての人間には食べ物を触らせられない!というのならまだ分かるのですが、
私とスタッフはOK,学生は手袋をしてもNGということに、少し悲しいと感じてしまいました。
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ただこのホテルとのコネクションは大事にしたいところです。
ホテル側の、「ボランティアでの学生の受け入れ」という感じから、「雇用を視野に入れた受け入れ」に少しでもシフトさせられないかな、と思うのです。
正規雇用でなくても何かしら将来的に一人でも繋がれば良いのですが‥。


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因みに生徒は、

ぼーっとしていてシェフの通路の妨げになっていたり、
私が事前に「センターとは違うのだから、あまり話しかけないように」と伝えたにも関わらず、私に話しかけたくてうずうずしていたり、
センター内でトイレに行ってこなかった2名がトイレに途中で行きたくなってしまってシェフを困らせてしまっていたり、
1人の生徒が手を洗った後で体のあちこちを掻いていたり、
眠そうだったり、


生徒の中でも別の課題がそれぞれあります。

ただ、それはソーシャルスキルトレーニングや、ホテルに行く前の準備事項を共有することで改善できる部分も沢山あると思いました。

ホテルの訪問は一度だけ、と言われた私ですが、
また時期を置いて、学生のソーシャルスキルを伸ばしてから再訪問したいのです◎

そんなこんなで、やりたいことリストが沢山ありすぎて、時間の流れもすごく早くって、
私自身が仕事の優先順位と計画を意識しなければと思っています。
練っていた計画がびくりするほどその通りになかなか行かないヨルダンですが、消化不良がなるべく少なくできるように、ヨルダン人も巻き込んで、良い方向に進めるようにしたいのです。