変化のある4月 | marimo's blog

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青年海外協力隊で、作業療法士としてヨルダンに派遣されています!

文化も習慣も全く違うこのイスラム社会で、
山あり谷あり奮闘しながら、2年間の活動を綴ります!

突然、カウンターパートの作業療法士、理学療法士が2人同時期に辞めることになりました。
代わりに新人の理学療法士の22歳の女性が入職

これから、理学療法士はその新人の子一人、作業療法士は私一人です。

当初のJICAの要請内容では、アカバには作業療法士がいないため、理学療法士に作業療法技術を教えるというものでした。

ただ、私が赴任した事には、新人の作業療法士が就職しており、
今までは作業療法士を中心に一緒に仕事をしていたのです。

赴任当時、日本での感覚を持って現場に入ったこともあってか、彼女の勤務態度がどうしても目につき、サボっているようにしか見えませんでした。


彼女の仕事に対する熱意はすごくムラがあって、やるときの仕事効率はものすごい早いですが、他に気になることがあってスイッチOFFのときは本当に何を言っても無駄でした。

訓練の時間に現れもせずに台所で食事をしていたり、
着替えてくる(白衣を羽織るだけ)と言ったっきり訓練に来なかったり、

私がどんなにカルテを広げて書きましょうアピールをしていても、彼女は気が向いた時しか殆ど書かないので、結局いつも私が殆ど書く羽目になって(私が結局書くから書かない悪循環かも)、

「私はこれだけ書いたからこの1ケースだけでも書いて」と言っても、
「前と同じって書いておいて」と言われ、

それ以上カルテ書いてアピールする気がなくなるなど、彼女の勤務態度に対しては自分の中で諦める(妥協)ことも多かったです。

でも、

勤務態度では色々思う所があったものの、私がアラビア語で言いたいことの1割しか言えなくても10理解しちゃうような、察知能力に優れ、そして呑み込みが早く、やる気になったときの仕事効率はもの凄い早い彼女。
これまで一緒に、ケースの生活を考えた上での訓練に加えて、家族指導や家庭訪問、グループセラピーなどもやってきて、身体機能だけではなく生活場面で活かせる関わりができるようになってきたカウンターパートだっただけに、すごく勿体ないです。

そしてプライベートでは彼女は私の事をとても大事にしてくれる友達でもありました
彼女の実家に宿泊して、家族を紹介してもらったりもしました。
私が2月の事件のときにすごく落ち込んで泣いていたときに、「クッルアーディー(全部大丈夫)」と言って慰めてくれました。
私の誕生日には、ホールケーキとネックレスを買ってきてくれ、お祝いもしてくれました。

彼女の緩さが許せないときもあったけど、
その緩さに、私はかなり救われていたようです。




今活動先がすごくごたごたしています。
作業療法士が首都のアンマンでさえで希少で、アカバで唯一の作業療法士となってしまった私は、アンマンのボスから
新人の理学療法士とは別々に、私個人で作業療法を継続するように強く言われています。

ボランティアをする上で、穴埋め的な支援は帰国後には継続性がなく、
作業療法についても教わりたいという、やる気のある新人理学療法士を残して別々に仕事をするのには抵抗があります。
私は穴埋め支援を拒否し、JICAからはわざわざ日帰りで往復9時間かけてアカバに来てもらってカウンターパートが必要と言ってもらったのですが、結局分かってもらえないでいます。

(長くなるので、次回書こうと思いますが、凄く大変です。。。)




そんなこんなで、このごたごたの最中に辞めてしまった彼女なのですが、
実家に帰った後も、私が英訳した嚥下障害対策の家族用プリントをアラビア語に訳して送ると言ってくれたり、
私の活動のシステム的な部分を心配してくれ、私のために色々アイディアを考えて、もう仕事の事なんて忘れてもいいのに、わざわざ電話をくれました。


彼女がくれたアイディアは、とっても作業療法士らしいなぁと思います。

彼女は、

理学療法士だけでなく、嚥下の問題のある子のスピーチセラピーに一緒に入って口腔機能の向上や筆記具把持のためのアイディア提供のために一緒に見ること、

SW(ここでは親と一緒の日常生活動作の練習職種のようなもの)と一緒に入って、ただ練習をするのではなく、何が原因でできないのか、どうしたらできるのかといったことを教えること

を思いついてくれました。


他職種との連携が全然できていない職場だったので、他職種とのコネクションのきっかけにもなるし、作業療法が網羅している領域で、この特別な資格を持っているわけではなく、その動作の練習に留まっている2名の同僚にも作業療法視点を持つことはプラスになると思うのです。

彼女のアイディア、とてもいいアイディアだと思います。

日本じゃそんなことは考えられないですが、アンマンでさえ作業療法士を見つけるのは大変なのに、ここアカバで待っていたら単なる作業療法の補充要員で任期は終わってしまいます。

私は同僚と一緒に活動がしたいです。
この考えは彼女が最後にくれた、すごく素敵なプレゼントだと思います。

あとはこれをどうやって伝えるか、です。
JICAスタッフと一緒に何度伝えても、「では作業療法は誰がするんだ?」と堂々巡りで伝わってないんですが(笑)


現場を見ていないアンマンボスは置いておいて、現場の同僚たちが私と一緒に見ることを望んでいてくれている限り、同僚の皆さんと一緒に活動をすることを望みます◎

今日は同僚皆が私の同僚と一緒にする(仮)スケジュールを一生懸命考えてくれました!
(このアイディアにアンマンボスは納得していないのですが、とりあえずスケジュールを作るということになりました。)


退職した彼女、今いる同僚にはスペシャルサンクスです!!
この計画がうまくいきますように☆