第087話 好奇心
私はパパが大好きだ。
格好良くて優しくて
マメでリッチで楽で
そして何よりパパには力がある。
パパから毎日10万円のお小遣いをもらい
お金は使いきれずに貯まっていくばかりなので
クラブに出勤するのは週に1、2度になった。
美咲は12時までキャバクラで働いているから
夕方、パパがお仕事に行ってしまうと
私は退屈してしまう。
「ねぇ、パパ今日は仕事行かないで。」
「おまえ、かわいい事言うね。
でも事務所には行かなきゃいけないから
いい子にして待ってなさい。」
「えーーーー! つまんなぃ。」
「友達と遊んでろよ。」
「だってぇ、私って友達は美咲しかいないんだもん。」
「じゃー、テレビでも見てろ。」
「ちぇ。パパの意地悪。」
パパは私のいう事は大抵は聞いてくれる。
けっこうな我侭を言っても
いつも笑いながらかなえてくれる。
でもパパは
仕事だけは本当に真面目だった。
何よりも家業が最優先で
本家の親分さんからの電話にいつも備えている。
親分さんから電話が来ると
どんな時でも
すぐにパパは出かけていってしまうから
私は時々さみしい思いをする。
ヤクザってそのへんはしっかりしていないと
勤まらないのかもしれない。
一度パパが寝ている隙に
パパの携帯電話とポケベルの電源を切った事がある。
その時は
たまにはパパの時間を
私だけが独占したいという出来心だった。
パパに本気で怒鳴られて以来
その手のいたずらは二度としなくなった。
私がふてくされていると
「しょうがないな。一緒に事務所に来るか?」
とパパが言いだした。
「本当?! 行く! 行く! 行ってもいいの?」
「組の事務所じゃないぞ。仕事場な。」
「うん! 行くよぉ~。やったー!」
「じゃ表に車をまわさせるから仕度して出てこい。」
「はぁ~い♪」
仕事場ってホテトルの事務所か裏ビデオの事務所?
どんなところなんだろう?
知らない世界を覗きたいという好奇心と
ヤクザの世界にもう少しだけ深入りしてみたいという想いで
とてもワクワクしてしまう。
パパは
派手な女が好きだから
ばっちりメイクをして
ピンクのスーツに着替える。
パパから電話が入り
「まだか?」
と急かされたので
ホテルの下に降りていく。
『!!』
ホテルを出ると
すごく迷惑な場所に
黒塗りのベンツがドーンと停めてあり
区役所通りまで大渋滞している。
私は慌てて車に乗り込んだ。
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