第109話 明確な目標
パパとはすんなり別れられ
同時に新しい恋のスタートを切れるなんて
私の人生はまさに今、追い風だ。
私には「結婚」という明確な目標が出来た。
自分の行く先が定まっていて
そこに向って進んでいくというのは
当たり前の事ようで今までの私には全く出来ていなかった。
成り行きまかせの感情で
その時々に選べる選択肢の中から
良さそうに見えるものをセレクトしては失敗してきた。
考えてみたら
この年の子達はみんな
「受験」や「就職」や「夢」や
そういうものにきちんと向っているから
わき道に逸れる事なく進んでいけるのかもしれない。
私は高校を中退して家出をした事で
方向を見失い、ずいぶん踏み外してしまった様だ。
直樹と結婚すれば
ようやく私は幸せになれる。
直樹がいつでも私の事を守ってくれる。
どんな事からも。
私はすでに夢見心地で
『平凡な幸せ』
って、いい響きだなぁ~
なんて心地好いため息をつく。
幸せになれるただ一つの道が開けたんだ
絶対に成功させなくちゃ!
一世一代の大仕事を仕掛ける気分で
私はこれからの生活の事を考え始める。
まずは引越しだ。
今日、直樹と相談して決めよう。
私はデートの仕度をして
待ち合わせ場所の池袋西口にある噴水前に向った。
私服の直樹はスーツの時よりもさらに普通の男で
ジーパンにダウンのジャンバーにスニーカーといった姿で現れた。
私は、めいいっぱいのおめかしをしてきたので
二人の格好はかなりミスマッチだ。
直樹に合わせた身の回りの物を揃えなくちゃいけない。
明日は不動産と買い物だ。
「今日は初めてのデートだし、どうする? ボウリングでもしようか?」
直樹はやんちゃな笑顔でそんな事を言う。
「え! ボウリングなんて高校の時からやってなぃよぉ~」
「映画も調べたんだけどさ、今おもしろそうなのやってないんだよ。」
「そっかぁ。 んじゃ、ボウリング行こうか♪」
またボウリングとは偉い健全だな。
と思ったけれど
そんな普通のデートが出来る事をとてもうれしく感じる。
こういうのって私にとっては最高に新鮮だ!
やっぱり恋のはじまりは
いつだって楽しくて
ドキドキワクワクして
気持ちが一気に華やいでいく。
私は直樹に対して
うんと無邪気に可愛らしく振舞った。
続き気になる人はクリックしてね♪

