らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -249ページ目

第110話 嘘の上塗り

ボウリングのスコアは散々だったけれど
久しぶりに体を動かして清清しい気持ちになった。


その後私達は
ショットバーで2杯だけカクテルを飲み
ほろ酔いで部屋に戻ってきた。


ソファーでくつろぎながら
私は直樹に

今後の事について真剣に話し始めた。


「あのね、私すごく寂しがり屋なの。
好きな人とはいつでも一緒にいたいんだ。
直樹君、一緒に暮らさない?」


「え? いきなりだね! もちろん、それはかまわないけど・・・
でも俺は給料安いし、とても家賃とか生活費を負担できないよ。」


「そんなの全然いいの。

どっちにしても、ここは引っ越すつもりだったんだ。
明日、不動産に行って部屋を見つけてくるから
もう少し質素な部屋で、二人で幸せに暮らそうよ。」


「本気? そんな大事な事をもう決めちゃっていいの?」
それに・・・やっぱり俺、金ないし・・・悪いよ。」


「私、社長令嬢だって言ったでしょ?
お金なんていくらでも親からもらえるの。
だから、お金の事は本当に心配しなぃでいいよ。
ずっと側にいて欲しいだけなんだ。」


「もちろん嫌だって事じゃないんだけどさ。
うーん・・・
部屋はどこに借りるつもり?」


「直樹君の職場は新宿で、家は西武池袋線沿いでしょ?
だったら池袋がいいかなぁって思ってるんだけど、どう?」


「俺はどこだっていいよ! まりもちゃんが好きなところに住めばいいよ!
ちょっと、いきなりの急展開で考えが追いついていかないけどさ・・・。」


「そうだよね・・・。たしかに急だよね。
うんとね、私さ、ちゃんと結婚を前提としたお付き合いがしたいの。
最初から、こんな事言うのっておかしいのかもしれないけどね
やっぱり、恋愛の先には結婚があるって思いたいんだ。
いつかは終わっちゃうって思いながら付き合うなんて嫌なのよ。」


「うん、それはわかるけどさ。」


「でね、結婚なんてさ、お互い生活習慣が違った二人がするんだから
いざ、結婚してみたらうまくいきませんでしたってよくある話でしょう?
だからね、2年くらい同棲してみて

うまくやっていけたら結婚したいなって思ってるんだよね。

一緒に住んでみないと相手の事なんて解らないと思うの。」


「2年後ってまりもちゃん、まだ二十歳でしょ? ちょっと早くない?」


「私、結婚願望が強いんだよね。子供の頃から将来の夢はずっとお嫁さんだったの。

直樹君は2年後には27歳でしょ。男の適齢期ってそのくらいじゃないの?」


「まりもちゃん、本当に俺なんかでいいの?」


「うん。直樹君の事がもう大好きになってるもん。」


「あはは、いいよ! じゃ、同棲してみてお互いが納得できたら
結婚しようよ、その時は俺がちゃんとプロポーズするからさ。」


「本当! うれしい!!」


「でも、まりもちゃんの親、社長さんでしょ?

俺みたいなただのサラリーマンなんて許してくれる?

まりもちゃんの親ってどんな人なの?」


「え・・・うんとね、大きな会社の社長なの。

会社名は、まだ今は言えないけど・・・。
でも、私にはおまえの人生だから自由に生きろって言ってくれてるしさ
きっと大丈夫だよ! 直樹君の事も早く紹介したいな。」


「まりもちゃんってなんかミステリアスだなぁ。」


「うふふ、これからゆっくり私の事を知っていってね。

細かい事は追々話していくからさ。ねっ」


「でも、そんなに寂しがりやなのに、どうして今まで彼氏いなかったの?」


「うーん・・・、確かに極度の寂しがりやなんだけどね・・・

えっと・・・
私ってこう見えてけっこう古風なのよ!
男を選ぶの、すごく慎重だったのかも!」


「えー でも、俺と付き合うって決めるのすごく早かったよね?」


「えと・・・。うん。
なんだろ、直樹君とは運命的なインスピレーションを感じたのぉ!

なんか直感?この人が私の王子様だ!ってさ。あはは」


「本当に? なんか信じられないよ? ははは」


「本当だよぉ! 信じて!

直樹君、ずっとずっと私の側にいてね。絶対だよ!」


私はこれ以上つっこまれるとヤバイと思い

直樹に抱きついて唇を重ねた。


はじめに『社長令嬢だ』だなんて言ってしまったから

話の流れで嘘の上塗りをしてしまった。


最初にとったこのポーズは

私の中で次第に本当の事の様になっていった。


自分でも嘘をついているとか

演技をしているといった自覚がないまま
流れるように口から出任せの作り話を毎日繰り広げていた。


靴


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