らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -203ページ目

第154話 新人改造計画

ヒカルが出勤すると

いつも私は1分以内に眠ってしまう。


眠るというより

『落ちる』といった方が的確だ。


その日はヒカルが同伴で12時前に出かけていったので

6時間は寝られる計算だった。


携帯電話の音で目を覚ます。


「・・・もしもし・・・。」


寝ぼけながら電話に出る。

時計を見るとまだ4時過ぎだった。


「俺、起こしてごめんな。

店終わったら、今日入った新人連れて帰りたいんだ。」


「ぅん。 いいけど、私は10時から仕事だよぉ。」


「OK、問題ないよ。

出かけるわけじゃないから。

俺のスーツを何着かあげようと思ってさ。

疲れてるとこ悪いけど頼むな。」


「はぁい。 頑張ってね。」


電話を切った私は

携帯を握ったまま眠ってしまった。


ヒカルが帰ってくるまでには

ちゃんと化粧もして綺麗にしておこうと思っていたのに

結局ヒカルに起こされて目を覚ました。


「あ・・・ごめん! 起きれなかった。

仕度しちゃうからちょっと待っててね。」


私は寝ぼけながら

すぐに化粧をはじめた。


隣の部屋から

ヒカルと新人の男の子の話し声が聞こえてくる。


朝からフルメイクで顔を作った私は

ピンクのワンピースに着替えて

リビングの扉をあけた。


「お待たせしちゃってごめんなさぃ、今コーヒーいれるわね。」


ヒカルの連れてきた男の子を見て

おっと思う。


紺色のスーツに白のワイシャツ

ださいネクタイをしているから

まるで就職活動中の男の子みたいだけど

なかなかの男前だ。


「あら、 ヒカル、この子かっこいいじゃん。」


「だろ? 俺もこいつは育てがいがあると思ってさ。

竹之内豊に似てない?

18歳の専門学校生なんだって。 バイトの募集で来たんだ。」


「こんにちは。ユウです。」


彼ははにかんだ笑顔で会釈をした。


かわいい子だなぁと

私はまじまじと見つめる。


口の端がメグライアンの様に上にキュっと上がっていて

あどけない印象を受ける。


頭が少し大きい気もするけど

肩幅があり胸板もしっかりしている。


「ヒカル、この子、骨格がすごくいいよね。

どこからいじろうか?」


私はワクワクしながら

ヒカルと一緒に

彼の改造計画を企て始めた。


少しいじれば化ける事が

私とヒカルにはわかっていた。


「とりあえず、このもっさりした髪型、イケてないよな~。」


ヒカルはまず髪型をどうにかしたいようだ。


「今時、こんだけ真っ黒ってのもレアだね。

ブリーチは必須かな。

いつものやつ、今日買ってくれば?」


ヒカルの使っているブリーチ剤は特別なやつで

上野にしか売っていない。

水色の粉を専用の液体で混ぜてブリーチ剤を作るのだが

強力であっというまに色が抜ける。


「ユウ君、身長いくつあるの?」


「180ちょっとですね。」


「へぇ~、ガッチリしてるねぇ。 なんか運動やってたの?」


「高校の時は陸上部でマラソンやってました。」


話し方はたどたどしく

こんな子がホストなんて務まるんだろうか?

と思ってしまう。


ヒカルと比べると天地の差だ。


ホストが務まるかどうか以前に

ユウはまるで子供みたいだった。


私がユウの眉毛を小さなはさみで整えてあげている間

ユウは借りてきた猫のように

鏡の前で正座したまま固まっていた。



ヒカルは新人ホストを育成するのが上手でした。ヒカルのおかげで成功したホストを何人も知っています。ホストって誰に育てられるかでホスト人生決まると言っても過言じゃないと思う☆

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