らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -202ページ目

第155話 宝物

ユウの改造はまだ途中だったけれど

時間になりジイヤが迎えに来たので

私は仕事に出かけた。


ヒカルはよく

後輩や新人をうちに連れてきては

自分のスーツや

ガラスケースの中に入った貴金属をあげている。


いつも

気前がいいなぁ~

なんて思いながら見ていたのだが

そうやって後輩達をうまく取り込んで

自分の仕事がしやすい環境を作っていくのも

一流のホストの手腕なのだろう。


仕事を片付けて家に帰ると

ユウがお出迎えしてくれた。


あまりの変貌ぶりに

私は思わず目を見張る。


髪は金髪に近い茶色で

前髪にはグレーがかった金髪のメッシュが何本か入っている。


真ん中から分けた髪の毛が

綺麗にサイドに流れていて

ヒカルの行きつけの美容室でカットしてもらった事が

すぐにわかった。


日焼けサロンにも行ったようだ。


まだそんなに黒くはなっていないけれど

やや赤みがかった顔になり

ヒカルのスーツをバリっと着こなしている。


ヴェルサーチのネクタイも

今のユウにはよく似合っている。


「どうよ! 俺の自信作! 最高傑作だろ?」

すかさずヒカルが私に感想を求めてくる。


まるで自分の作ったプラモデルを

自慢するかの様な言い方が

ヒカルらしいなと思う。


「想像以上だわ! てか・・・私・・・一目惚れしたみたぃ!」


一瞬空気が固まった。


ユウはどうすればいいのかわからないといったような

戸惑いの表情を見せる。


次の瞬間

私とヒカルが大笑いをはじめたので

ユウもつられてはにかんだ笑顔を見せた。


「あはは、でも本当かっこぃぃよ。

ヒカル、うかうかしてるとユウにNO1の地位を奪われるちゃぅわよ。」


私がそんな冗談を言うと

ユウは慌てて手刀を振って否定する。


「そんなわけないじゃないですか! ヒカルさんにかなうわけがないです!」


ユウの真剣な物言いに

私とヒカルはまた吹き出してしまう。


ユウはいまいち

なんで笑われているのか解っていないようだ。


「・・・純粋なのね。」


冗談を間に受けてしまうユウの事を

私はうらやましい気持で眺める。


「そうだな。」


ヒカルも同感らしく

目を細めて頷く。



「ユウは

私やヒカルにはないものを持ってるんだよ。


ヒカルはきっととっくの昔に失くしちゃったもの

私は・・・もしかしたら最初からもってなかったかもしれなぃ・・・。


とにかく

私やヒカルがどれだけ欲しがっても

絶対に手に入らない宝物を

ユウははじめから持っているのね。


・・・大切にして欲しいわ。」


私がそう言って微笑むと

ユウは意味がわからないのか

困ったような不思議な顔をしていた。



純粋で無垢なものって宝物ですよね。絶対に守ってあげなきゃって思うような・・・。

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