らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -125ページ目

第229話 忍び寄る不安の影

宝石ブルー携帯からの目次を作りました  


おかしなことに

なり始めてはいた。


それでも

ユウは簿記の学校にはきちんと通っていたし

私も仕事に支障が出るようなことはまだなかった。


忍び寄る不安の影は日増しに色濃くなっていき

人格変化も少しずつ進んでいたのかもしれないけれど

私たちはそれに気づこうとはしなかった。


最初に決めた

「週末だけスピードをやる」

このルールが守れているうちは

大丈夫だと思い込んでいた。


そんなある日

一本の電話が入った。


ユウはまだ学校から帰ってきておらず

私は3時のワイドショーを見ている時だった。


「まりもちゃん?」


聞き覚えがあるようなないような

若い女の子の声だった。


「久しぶり! エミリだよ!」


「あぁ、めっちゃ久しぶりぃー。 どしたの?」


電話の主は太一君の彼女だった。


ヒカルと別れて以来話していなかったから

もう1年以上連絡を取っていなかったことになる。


嫌な予感がして胸がざわついた。


「ヒカル君、パクられたよ!」


「えっ!!」


「ホテルにガサ入ってさー、ヒカル君とトオル君もっていかれちゃって・・・。

でさ、ヒカル君の影響でNEOのホスト達もみんなやってたもんだから

芋づる式にやられるだろうって、今何人も逃げてるのよ。 

うちの太一も知り合いのとこに隠れてるんだけどねー。

まりもちゃんにも連絡入れておけって太一から頼まれてさー」


「うっそ! マジで? ヒカル豚箱入ったの?」


「まだ取調べ中だろうけど、ヒカル君は自分の使用だけじゃなくて

売ったりもしてたから、懲役くらうと思う。 営利目的になってくると刑重いのよ。

でも、警察の狙いはヒカル君に流してた元締めなんだろうけどね」


エミリはいつになく真剣な調子で事情を伝える。


「どうしよう・・・ 私、一度だけヒカルにもらったことあんのよ! 

けっこう前なんだけど・・・ ねぇ、私のとこにも警察くるの!?」


「何ヶ月も前に一度きりなら大丈夫だと思うよ。

今はやってないんでしょ?」


「う・・・うん・・・」

私は口ごもりながら誤魔化した。


「なら平気でしょ? そんなかんじで、とりあえず報告まで~

わかってると思うけど、万が一、警察来て何か聞かれても何もしゃべらないようにね」


「うん・・・わかった。 ありがと」


電話を切ると私は不安で青ざめた。


すぐにテレビを消した。


嫌な緊張感が胸のあたりにせり上がってきて

部屋の中をウロウロと歩き回った。


今にもインターホンが鳴って

警察が飛び込んでくるような気がして

外の音に耳を澄ませた。


小さな足音にも敏感になって

キッチンの小窓から何度も表の様子を覗き込んだ。


あきらかに神経過敏になっていた。


ユウに電話をかけて事情を説明し

今すぐに帰ってくるように伝えた。


残っていたスピードのパケを封筒に入れて

オーディオの裏にテープで貼り付けた。


すぐに、そこではバレると思い直して

エアコンの蓋を開けてその奥に詰め込んだ。


やっぱりそこもバレるような気がして

何度も何度も隠し場所を変えながら

私はあたふたと動き回った。


玄関のドアがガタンと鳴った。


驚いて飛び上がった。


ユウがすっかり生気の抜けた顔で

息を切らしながら部屋に入ってきた。




この状況で必死でブツを隠そうとする私おかしくね? トイレにでも流せばすむことなのにね・・・。

完全にもう依存してる証拠だよなぁ! そして、ヒカルはパクられてしまいました。

後日談で聞いたんだけど、ホテル(キャッスル)の部屋はめちゃくちゃになっていて

弁償代で300万くらい取られたんだってよー! でも・・・そうなるんだよね・・・。 わかる・・・。
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