らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -116ページ目

第237話 誕生日

宝石ブルー携帯からの目次を作りました  


レギュラーだったテレビ東京の「ギルガメッシュナイト」と

サンテレビの「大人の絵本」を降板させられた。


グラビアの仕事も激減して

年内のスケジュールは

インタビューなどの細かい仕事がいくつか入っているだけだった。


きっとこのまま

世間はあっというまに

私のことを忘れてゆく。


スケジュール帳の空白がそう思わせた。



そんな体たらくな日々の中

私は22歳の誕生日を迎えた。


「雪見にいくか!」


ユウの提案で

私達はレンタカーを借りた。


スタットレスタイヤで

紺色のハイラックスサーフを選んだ。


関越道は

スキー客などでかなり渋滞していたけれど

時間のある私達は気長に雪を目指して

夜のドライブを楽しんだ。


何時間か走って

長めのトンネルをいくつか抜けると雪が降っていた。


「雪だぁー! 綺麗だねー」


ヘッドライトと

オレンジ色の電灯に照らされながら

粉雪がフロントガラス降り注ぐ。


「トンネルと抜けるとそこは雪国だった、って小説あるよな」


ユウが言った。


「そんなのあるんだ? 知らないよぉ~」


私は言った。


水分の多いぼたん雪ではなく

繊細な粉雪を東京ではめったに見ることは出来ない。


「雪って幻想的だよね、 私いつか雪国に住んでみたぃなぁ!

すごい綺麗だよー! 雪やこんこ♪ あられやこんこ♪」


「今年は暖冬だから東京は降らないかもしれないしな。

喜んでくれて良かった」


ユウがはしゃぐ私を見て

うれしそうに目を細めた。


そのまましばらく走って

少し小さめのサービスエリアに入った。


「ずっと運転してて疲れたでしょ。

コーヒーでも買ってくるよ」


私がバッグの中からお財布を取り出すと

「待って、先にプレゼントがあるんだ」

とユウが切り出した。


「ちょっと用意するから目つぶってて」


「えっー! マジ?! 何だろぉ」


言いながら私は目を閉じた。


ユウがこうやって

密かにいろいろ計画していてくれた事を知り

私は素直に胸を躍らせた。


ユウはお金はないから

高価なプレゼントは望めないけれど

こうやってお祝いしてくれる気持ちが何よりもうれしい。


トランクをバンっと閉める音がして

ユウは運転席に戻ってきた。


「はいっ! 目開けていいよ」


座った太腿の上に置かれたプレゼントは

シャネルの立派な紙袋だった。


「えっ」

私は驚きそして動揺した。


紙袋はアクセサリーのサイズではないし

重量感があった。


私はリアクションをとれずに

だまって紙袋の中から大きな箱を取り出した。


丁寧に梱包されていたのは

ゴールドのミニリュックだった。


それは以前

ユウと上野のアメ横を歩いていた時に

店頭のショウウィンドウに飾られていて

私が「超かぁぃぃ~!」と絶賛したものだった。


「どうしたの? これっ?」


私は心底驚きながらユウの顔を見た。


ユウは今まで見たこともないような

輝く笑顔で私を見詰めていた。


「これも見て」

そう言って今度はボロっちい巾着袋を私に差し出す。


受け取って中を見ると

何冊もの郵便貯金の通帳が出てきた。


ユウが車のルームランプを点した。


「どういうこと?」

私はますます不思議に思いながら

通帳を開いた。


どのページにも

「入金:1000」という数字が綺麗にズラっと並んでいる。


まだ理解できていない私に

ユウが恥ずかしそうに説明を始めた。


「まりもと付き合い始めてから

昼飯代って毎日1000円もらってただろ。 半分は貯金してたんだ。

ほとんど毎日、ヤキソバパンだったしな。 ははっ

1000円貯まったらすぐに郵便局に貯金してさ。


ここまで長い道のりだったけど、

500円貯金だってシャネルのバッグが買えるんだぞ!

すっげーーーだろ?」


ユウは本当にうれしそうに言い

達成感に満ち溢れた顔で私を覗き込んだ。


その途端
涙がぶわっ溢れて視界がぼやけた。


このサプライズは

あまりにも想像の範疇を超えていた。


シャネルのバッグなんて

私はいくらだって買うことが出来る。


でもユウがプレゼントしてくれたものは

お金では絶対に買えないものだ。


一日が縦糸になり

次の一日が横糸になり

そうやって何日もかかって丹念に織り成された

掛け替えのない宝物だ。


私は涙を拭いながら

ボンネットに積もり始めた雪に焦点を合わせた。


この雪のように

ユウがずっと少しずつ積み重ねてくれた愛情の証。


シャネルのリュックを抱きしめながら

「ありがとう、 ありがとうね、 本当ありがと」

と、ただ繰り返してそう言った。


何度ありがとうと言っても

全然足りなくてまた泣けてきた。


「なぁ、喜んでくれるのはうれしいんだけどさ、

実は・・・これって、まりもの金なんだぜ? はははっ


本当はさ、指輪買いたかったんだけどね

でもそれは俺の稼いだ金で買いたいから、もうちょっと待ってな。

まりもの喜ぶ顔が見たくて今まで頑張ったけど、自己満足みたいなもんだし」


ユウは私を胸に引き寄せた。


「あんた、本当にいい子ね・・・」


痛いくらいに

ユウの肩と胸の間に顔を押し付けた。


顔を上げるとユウは

甘い柔らかい目で私を見ていた。


その瞳は綺麗な水面を思わせた。


プレゼント だいぶ使い込んでるけどこれ

本当にユウはいい子だったなぁ。 なかなか出来ることじゃないよね。

歴代の誕生日で一番うれしかったかもしれないなぁ。 元気でいるだろうか。。。

思い出しながら切ない気持ちになっちまった。 

クリスマスの記事、コメントたくさんありがとね☆

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