登場人物
ニーナ先生:1年生の時からの担任。新学期からずっと学校を休んでいた。
アンドレイ:外国人クラスに通う友達。体育の授業は2年生クラスに来る。
マルック:同じクラスの友達
アイノ:同じクラスの友達
*ペサパッロ=フィンランド式野球
7.変なルールのペサパッロ
ニーナ先生が小学校に戻って来た。先生と会うのは春学期以来だ。女の子たちは嬉しくて全員ニーナ先生に抱きついた。僕も久しぶりに先生に会えて嬉しい。先生はアメリカの小学校で先生をしていたんだって。ニーナ先生はみんなにアメリカのお話をたくさんしてくれた。アメリカにはフィンランドにはいないような動物がたくさんいるらしい。先生も色々な種類の動物を見て来たんだって。それからてっぺんが見えないくらい大きな木もあるみたい。そんなに大きな木があるなんて!僕もいつか見てみたいな。
体育の授業では久しぶりにペサパッロをした。体育には外国人クラスからアンドレイもやって来る。僕は打席に立つ度、アンドレイと手を振りあった。僕の前に打席に立った女の子2人は一度も打てなかったんだけど、一塁に出た。なぜか一塁に二人もいる状態で、僕は打席に立った。横からピッチャーの先生がボールを高く投げる。先生は「あ!投げるの失敗した!」と言ったけど僕は落ちて来るボールめがけて思いっきりバットを振った。バシン!当たりは最高!僕の打った球は三塁を超えていった。外野のアイノが走って球を追いかける。僕は一塁に向けて全速力で走った。味方のマルックがたくさん応援してくれた。僕は前にいた女の子たちを抜いてホームに帰り、2得点をあげた。ペサパッロはホームランを打って1点、更にホームに帰ってこれば1点追加できる。以前は前に出塁している人を追い越したらファールになったけれど、今回は注意もされなかった。その後の回では4人も一塁にいたこともあった。5人目がヒットを打つとその球は一塁にいた4人の足元に転がり、4人全員がその球を蹴飛ばしながら走ったので、ボールはあっちこっちに飛んだ。外野の子も取るのを諦めて球の行方を目で追っているだけだった。なんだこのめちゃくちゃなゲーム。今日のペサパッロは何でもありのルールだった。