小学2年生のフィンランド留学体験記 第八章 8月 11.フィンランド人と雨 | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

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~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことの記録
趣味の4コマを投稿中

 

11.フィンランド人と雨

 

 8月はたくさん雨が降っている。日本だと窓から外を見れば、すぐ雨が降っているかが分かる。みんな傘をさすからだ。でもフィンランドは窓から手を出して雨を確認しなくてはいけない。なぜならフィンランド人は雨が降っても傘をささない人がとても多いからだ。雨よけにフードを被る人はいる。でも、どんなザーザー降りの雨でも傘をさす人は本当に少ない。それに雨が降っているからといって焦る様子もない。いつもと同じように歩いているから不思議だ。台風並みの雨でも晴れの日と同じようにTシャツ短パンでゆっくり歩いている人がいる。フィンランド人は普段から落ち着いた雰囲気の人が多いけれど、こんな時まで落ち着かなくてもいいんじゃない?ザーザー降りの日はフィンランド人観察をするのが好きだ。「あの人は傘をさしているからフィンランド人ではないかも。」「この人は傘もフードもしていないのにゆっくり歩いているからきっとフィンランド人だ。」というようにどの人がフィンランド人かを当てるゲームをする。

 小学校でも雨の日はみんな雨にぬれても大丈夫な服装で外遊びをする。レインパンツにフード付きの防水ジャンパーを着ていれば雨の日だって楽しく遊べる。日本の小学校ではフード付きの服が禁止されているけれど、フィンランドの小学生はフード付きの服を着てくる子が多い。急に雨が降ってきた時、フードを被れば雨から頭を守れるからだ。フードはおしゃれというより実用的にとらえられていると思う。雨でも絶対に外で遊ばないといけないので、「ああ今日はフード付きのパーカーを着てきて良かった!」と思うシーンが日本より多い。

 今日も雨。でも、僕たち青グループは森探検に出かけた。フィンランドの授業であまり天候は関係ないのだ。森では前に習った食べられる実と食べられない実の勉強をした。僕はブルーベリーに夢中になってしまい、あまり先生の話を聞かず、手も舌も真っ青になるくらいブルーベリーを摘んで食べた。雨が降っている事なんて少しも気にならなかった。お母さんがこんなことを教えてくれた。「悪いのは天気じゃない。服装だ。」って考え方がフィンランドにはあるんだって。適した服を着ていれば雨の日でもこんなに快適に外で過ごすことができるんだ。日本の小学校もこんな風に考えてくれないかな。それではここでクイズです。雨に適した服を着てこなかった子はどうなるでしょう。答え。出かけます。みんなと一緒に外に行き、フード付きの服を着てきた子はセーフだけど、フードもない子はびしょ濡れです。濡れるからと教室に残ることはないのです。屋根から落ちてくる小さな滝のような水を自ら頭に浴びる強者もたまにいる。ちなみに長靴ではなくスニーカーを履いてきた子は靴下がぬれて、足が臭くなる。教室は靴下で過ごすから雨の日はなんか臭う。生乾きの匂いもする。これも楽しい雨の日のあるある話。