小学3年生のフィンランド留学体験記 第五章 3月 23.チャオ!イタリアライネン登場! | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

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~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことを書き留めていきたいと思います!

登場人物

ジェミフル:2年生のクラスメイト。

フランチェスコ:イタリアから来た転入生。5年生。

エンミ先生:担任

ブレタ:5年生のクラスメイト。ジェシアンのお姉さん。

ジェシアン:4年生のクラスメイト。

アラン:一番仲良しのクラスメイト。2年生。

カリナ:サポートの先生

 

23.チャオ!イタリアライネン登場!

 

 ジェミフルが転入して1カ月も経たないうちに、今度はイタリアから男の子が転入してきた。5年生でとても背が高い。名前はフランチェスコ。なんとイタリア語の他にもアルバニア語、英語、ローマ語(現代ギリシア語民衆口語)が話せるらしい!すごい!僕がフランチェスコを見たのは玄関だった。フランチェスコは8時15分に登校してきて、エンミ先生に話しかけられていた。エンミ先生にブレタがつかまって、ブレタが身支度の説明をしている。そして、僕もエンミ先生に呼ばれて、フランチェスコを教室まで案内することになった。僕は英語で自己紹介をして、名前を聞いた。話しやすそうな男の子だなと思った。

 1時間目にクラス全員がフィンランド語で自己紹介をした。最後にフランチェスコもフィンランド語で自己紹介をしたんだけど、とてもフィンランド語が上手だった。生態系アニメーション作りに早速フランチェスコも参加することになった。フランチェスコは僕たちのチームに入った。僕が片言の英語で説明していると、「僕が説明するよ!」とジェシアンがやって来てアルバニア語で説明し始めた。それからは、フランチェスコはジェシアンとずっとアルバニア語で話していた。ジェシアンはアルバニア人だからフランチェスコと一番会話をスムーズにすることができる。僕もアランもジェミフルも2人が何を言っているのかさっぱり分からなかった。中休みになるとジェシアンがフランチェスコを学校案内に連れて行った。ジェシアンはジェミフルが来た時と全然態度が違うなと思いながら、僕はアランとジェミフルと一緒に2人の後について回った。ジェミフルが転入した時も、そして今でも、ジェシアンはジェミフルに話しかけていない。その後もジェシアンはフランチェスコとアルバニア語で話し続け、僕や他のクラスメイトがフランチェスコと話せたのはジェシアンが4年生クラスに移動した時だけだった。

 次の日、僕は歓迎の意味を込めて、イタリアのサッカーのユニフォームを学校に着て行った。フランチェスコは僕のユニフォームを見ると「わお!」と驚いて笑ってくれた。今日もフランチェスコにはジェシアンがべったりで、ずっと2人でアルバニア語を話していた。せめて英語で話してくれれば、先生やクラスメイトにも話していることがわかるのに。2人が英語を話せることはクラスメイト全員が知っている。ジェシアンはフランチェスコとの2人の世界を作りたいように見えた。フランチェスコは今日で昼食が2回目になるのに、ジェシアンは昼食の食べ方やメニューまで説明していた。やりすぎだなと思って聞いていると、カリナがジェシアンに「もうそれは説明しなくても大丈夫よ。」と言った。カリナも僕と同じことを思っていたらしい。グループワークでも今まで1つにまとまっていた男の子グループは2つに分断されてしまった。ジェシアン、フランチェスコのアルバニア語ペアとアラン、ジェミフル、僕のフィンランド語でコミュニケーションをとる3人組に。フィンランド語を勉強する準備クラスなんだからフィンランド語話そうよ。男の子5人で仲良くできないものかな。