小学3年生のフィンランド留学体験記 第五章 3月 18.歯科検診 | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことを書き留めていきたいと思います!

 

18.歯科検診

 

 平日にお父さんと歯科検診に行った。歯科検診は外国人クラスに転入した子は全員受けなければならない。エンミ先生にはお母さんが事前に連絡してくれていたけれど、自分でちょくちょく時計を確認してお父さんとの待ち合わせ時間である9時半に学校を出ることができた。お父さんは学校の玄関で待っていてくれた。歯科検診の場所は学校から少し遠い。徒歩20分以上はかかるので、僕は今日だけ自転車で学校に来ていた。フィンランドの学校では親の判断で自転車通学することができる。歩道の雪が溶けてからは、駐輪場にとまる自転車の数か日に日に増えている。僕はお父さんと自転車で歯医者さんへと向かった。

 歯医者さんにつくと予約時間ぴったりに名前が呼ばれた。広くて清潔な部屋の中央に診察台がある。僕はすぐ診察台に座った。歯科衛生士さんがサングラスを渡してくれた。僕より先に歯科検診を受けていた弟から聞いていたけれど、診察台のライトから目を守るためにつけるらしい。衛生士さんは僕にフィンランド語で色々質問をした。1日何回歯磨きをしているか、1日何回食べているかなどだ。後から聞いたけど、お父さんは歯科衛生士さんと僕が何を話しているのかさっぱり分からなかったらしい。診察後にお父さんに「フィンランド語かなり話せるようになっているね。すごい。お父さん全然内容が分からなかった。」と言われて、少し嬉しかった。

 時々僕がお父さんに日本語で話しかけると、それを聞いた歯科衛生士さんが「私も日本語少し話せます!はじめまして。私の名前は…」と自己紹介してくれた。歯科衛生士さんは日本語を勉強したことがあるらしい。歯科衛生士さんがお父さんに話しかける時は英語、僕と話す時はフィンランド語、そしてたまに日本語も話してくれた。今回僕は英語の内容も理解することができた。歯科衛生士さんが英語でお父さんに電動歯ブラシの練習を始めてくださいと説明しているのが分かった。毎食後にキシリトールを食べることも勧められた。歯科衛生士さんはキシリトールタブレットの試供品を僕にくれた。診察が終わると歯科衛生士さんが僕に日本語で「元気ですか?」と聞いてきた。診察受けて元気?なんか変だなと思いながらも僕は小さい声で「元気です。」と答えた。お父さんと後から一緒に考えたけれど、きっと「大丈夫ですか?」って言いたかったのかも。日本語もなかなか難しい言葉だなと思った。僕もフィンランド語でこんな風に少し違った表現をしてしまっているんだろうな。お父さんも僕も歯科衛生士さんが日本語を勉強してくれていたことがとても嬉しかった。僕が今フィンランド語を勉強していることも、フィンランドの人はこんな風に嬉しいと思ってくれるのかな。