登場人物
ダニエル:仲良しのクラスメイト
6.プール学習
2月に2回プール学習があった。1年生は2グループに分かれ、僕は1,2時間目にプールに行くグループに入った。もうひとつのグループは3,4時間目だった。東京のように学校にプールがないので、僕たちはバスに乗って室内プールへと向かった。行く途中に僕の家が見えたから、ダニエルに教えることができた。僕たちが行った施設には大きいプールと小さいプールがあって、1年生は全員小さいプールだけを使った。5m×5mの小さなプールだから24人くらいが一斉に入ると狭い。深さは僕のおへそくらいあった。ラッシュガードを着て帽子を被っているのは僕だけだった。みんなカラフルな水着を着ている。東京の学校と違って自由で良いなと思った。準備体操はなくて、みんなすぐプールに入り自由泳ぎの時間が始まった。僕は端から端までクロールをした。5mなら息継ぎなしで行けるかと思ったけど、苦しかった。僕がクロールをしていると、僕の泳ぎを真似する子が出た。僕はその子たち全員に「ナイス!」と声をかけた。ダニエルと競争もした。少し泳いだ後、先生が全員を集め、けのびやバタ足を教えてくれた。上向きバタ足もした。みんなで列になって競争もした。全員横に並ぶのは難しくてスタート地点では2列になった。女の子に押されて、僕は最前列。でも、そのおかげでスムーズにクロールがスタートできたから、僕は1番のりで向こう側に着いた。泳げない子は走っていた。その後はまた自由時間。久しぶりの水泳だったけど、日本で習ったクロールを覚えていたから安心した。でも、この後予想もしていなかった大事件が起きた!なんとパンツを忘れてしまったのだ。1時間目から水泳と知っていたので、僕は服の下に水着を着て登校した。水泳道具はお母さんが用意してくれて、中身を確認しておいてねと言われたのに、僕は下着の確認を忘れていたんだ。上の下着が2枚も入っている。お母さん、パンツとシャツを間違えてるよ!僕の下着のパンツとシャツは触り心地も色も同じだからな。とりあえず、誰にもばれないようにこっそりズボンをはいた。更衣室から出るとダニエルがブルーベリークッキーをくれた。パンツのことで落ち込んでいた僕だけど、クッキーを食べている間はパンツのことを忘れることができた。帰りのバスはダニエルが誘ってくれて、隣でおしゃべりをしながら帰った。