サラ先生:担任の先生
レオ:クラスメイト
ダニエル:仲良しのクラスメイト
第二章 12月
1.クリスマスの準備
12月に入ってから毎朝担任のサラ先生が数人にキャンディーを2個ずつ配り始めた。僕がもらえたのは12月5日。フィンランド独立記念日の前の日だった。先生が「AUKの全てが名前に入っているお友達は誰かな?」とみんなに聞いた。するとクラスメイトのレオが一番に「SAKUTO!」と僕の名前を言ってくれた。僕は前に出て先生からキャンディーをもらった。他にもあと3人の名前が呼ばれ、先生からキャンディーをもらっていた。キャンディーは学校では食べてはいけないと思い、放課後にお兄ちゃんと食べた。学校でお菓子がもらえるなんてとても嬉しい。
音楽ではクリスマスソングを歌うようになった。クリスマスの詩の朗読も宿題で出るから、毎日お母さんと読む練習をしている。ハンドメイドの授業では画用紙でクリスマスツリーや羊毛フェルトでツリーの飾りも作った。羊毛フェルトは針で何度もつついて作るから、僕も周りの子も何度も自分の指を針で刺した。でもなぜか僕だけ出血しなかった。僕の皮膚は強いな。2枚の星形のフェルトを糸で縫い合わせた飾りも作った。針と糸で縫うのは初めてだったけれど、とても楽しかった。
12月に入ってすぐダニエルはサンタの帽子をかぶって登校した。授業中もずっとかぶっていた。教室のみんなもクリスマスにわくわくしているみたいだ。わくわくしているのは生徒だけじゃない、先生もだ。12月中旬に先生だけのクリスマスパーティーが学校で開かれる。その日、生徒はみんな12時の早い時間に帰ることができる。先生にも生徒にも嬉しい日だ。