登場人物
アランくん:お兄ちゃんのクラスメイト。2年生。
ファジルくん:お兄ちゃんのクラスメイト。2年生。
アルティンくん:お兄ちゃんのクラスメイト。6年生。
13.休み時間は毎日サッカー
1日に2回ある長い休み時間はいつもお兄ちゃんとサッカーをする。お兄ちゃんは僕とは違ってフィンランド人クラスには入っていない。2年生から6年生までのフィンランド語が話せない子たちが入る外国人クラスに入っている。初めは外国人クラスのお兄ちゃんの友達のアランくん、ファジルくんと4人でサッカーすることが多かったけど、最近はフィンランド人のお兄さんたちも加わるようになった。先生が審判になって試合をすることもある。みんな僕より大きくて、僕はいつでも最年少だ。他の1年生が観戦してくれていることもある。僕が転んでもすぐに立ち上がると、その子たちから歓声が沸き起こって嬉しかった。
僕はディフェンスをすることが多い。本格的なサッカーボールを使うから足は青たんだらけになった。そして、身長が低いからか顔にボールがよくあたる。でも、みんな優しくてすぐに駆けつけて「大丈夫?」って顔を覗き込んでくれるからすぐに元気になるんだ。特にお兄ちゃんがいる外国人クラス6年生のアルティン君は僕の顔を両手ではさんで「さくと、大丈夫かい?目を開けてごらん。」って目に傷がついてないかもよく見てくれる。学校ですれ違う時はいつも僕の名前を呼んで手を振ってくれるとても優しいお兄さんだ。しかし、アルティン君以外の5~6年のサッカーに入って来るお兄さん達はあまり優しくない。僕のお腹に力いっぱいボールを蹴って来る人がいた。痛すぎて泣きそうになった。たまたまあたってしまったってよりは、わざとねらっているような気がする。サッカーなのにドッジボールみたいだ。でも、僕はそんな意地悪するような奴には負けない。次の週はその嫌な奴からボールを奪ってゴールを決めてやった。それにお兄ちゃん、アラン君、ファジル君はいつでも僕の見方でいてくれるから心強いんだ。
ある時、お兄ちゃん、アラン君、ファジル君が低学年の試合に出場することになった。毎週月曜日に行われる低学年の上手い子しか出られない試合だ。1年生は危ないからその試合は出ることができない。3人とも格好良いな、羨ましいな、頑張れ!僕もいつか出場したい。その時までサッカーを毎日練習してもっともっと上手になろう。
第一章おしまい。次からはお兄ちゃんの第二章が始まります!