小学3年生のフィンランド留学体験記 第一章 11月 6.絶対外に出なきゃいけない中休みと昼休み | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことを書き留めていきたいと思います!

 

登場人物(友達紹介)

・アラン:一番仲良しのクラスメイト。

・ファジル:クラスメイト。

・アルティン:6年生のクラスメイト。リーダー的存在。

・メガネ:フィンランド人クラスの高学年。

 

6.絶対外に出なきゃいけない中休みと昼休み

 

 外の気温が-20℃以下または槍が降らない限りは外で遊ぶこと。これが小学校の決まりだ。校庭は日本の小学校より遊具が充実している。4人乗りできるブランコやその上を歩くと回転するリングのように日本では見たことがない遊具もたくさんある。僕はいつもアラン、ファジル、弟と校庭でサッカーをする。雪が積もってもサッカー。雪があると転んでも痛くないからいい。校庭にはちゃんとゴールもあって、試合をして楽しめる。

 ある日、いつものメンバーでサッカーをしていると、高学年の男子集団が「ここは俺たちの場所だ!」と言ってきた。でも、最初にここでサッカーをしていたのは僕たちだ。そこで、その男子集団のことは無視して、サッカーを続けた。すると、勝手に中に入ってきて男子集団も僕たちのボールでサッカーを始めた。リーダーらしい背が高くてひょろひょろしたメガネのやつが弟のお腹に思いっきりボールを蹴った。弟は苦しそうにうずくまる。僕はゴールキーパーをしていて遠い場所にいたからすぐ行けなかったけど、僕が行く前に男子集団のうちの一人のお兄さんが弟のところにすぐ駆けつけて介抱してくれた。涙をぐっとこらえる弟を見てあのメガネにとても腹が立った。その後、男子集団の中でけんかが起こり、弟を助けてくれた優しいお兄さんも転ばせられて怪我をした。

 その1週間後、またあのメガネが僕たちのサッカーに勝手に入ってきた。でも、今度は1人だ。チーム分けでは、メガネがじっと僕を見てくるから、一緒にチームになろうと誘わないといけないような雰囲気で、僕とメガネがチームになった。試合ではお互いパスを出し合い、それぞれ得点を決めた。点が決まるとハイタッチ!僕のプレーに何度も拍手してくれる。メガネ、嫌な奴じゃなかったのかも。2回目でこんなに印象が変わるなんて不思議だ。

 僕の小学校ではサッカーが人気だ。同じクラスのアルティンはサッカーが得意。校庭にある大きなサッカー場では月曜日の中休みは低学年、そのほかの曜日の中休みと昼休みには高学年の試合が行われている。低学年は15対15、高学年は20対20人もの大人数で試合をする。審判はホイッスルを持った先生がするから本格的な試合だ。審判をする先生はまずスマートフォンに生徒の名前を入力する。誰がどちらのチームなのか把握するためだ。ゼッケンがないから先生も大変だ。サッカーの試合に参加できるのはアルティンみたいな上手な子だけだ。観戦者も多くて、選手が得点を決めると、観戦者とハイタッチをする。背が高くてさわやかなアルティンには4人くらい女の子のファンがいて、アルティンが活躍すると、女の子たちの黄色い観戦の音量がマックスになる。この前、選ばれし者しか参加できない低学年の試合にどういうわけかアランが出場することになった。格好いいぞ、アラン!僕はアランを応援した。いつか僕も入れてもらえるかな。