マリンバの正富明日香です。
先程、こちらの記事にて一通り11/13(日)に行なわれました門下生コンサートのことを書かせていただきました❣️


以下からは【想い編】として、コンサート内のMCでも少しお話をさせていただいた内容と重なるところはありますが、今回のコンサートに対する想いをこの場を借りてお話させていただきたいと思います。



今回のこのコンサートは「第2回瀬戸内市民芸術祭関連行事」としてエントリーをしておりました。


瀬戸内市民芸術祭とはどのようなものか、について、パンフレットに載っております文章を載せさせていただきます。


瀬戸内市民芸術祭とは

瀬戸内市民が、わが町の歴史・文化財産、優れた多くの芸術家の存在を再認識し、誇りをもって未来に向かって、幼児から高齢者まで市民みんなが、文化芸術を愛し、楽しめるまち。

その活動を互いに発揮、発表し合うことで、特色ある市民文化の創造と、日常生活の中で芸術文化に触れることができる豊かな文化環境をつくるまち。

そんなまちづくりのエネルギーの源となる市民のための市民がつくる「祭典」をめざします。


です。


私はこの文章を見た時、一芸術家として活動する私にとって、生まれ育った地元であるここ瀬戸内市で、自分に何ができるだろうかと考えました。


私も夫の廣田も、自分の演奏活動も、そして後進の指導も、どちらも同じくらい大切に思っています。

私たち夫婦がともに音楽家として、こうして演奏活動をしていられることは、紛れもなく周りの支えがあるからです。自分も生徒さんも共に成長できる、みんなで作り上げていく音楽のイベントが何かできたらいいなと思い、今回、市民音楽祭にエントリーをすることを決めました。


それも、私たち講師がメインではなく、主役は、これからの次世代を担っていく若き子どもたち。子どもたちと、それをサポートする周りの大人たちで一つのイベントを成し遂げ、この経験を成長に変え、将来に繋げていってほしいと考えました。


瀬戸内市民芸術祭にエントリーをしてわずか約3ヶ月の準備期間、ほぼ思いつきともいえる「門下コンサートをやります」という私の誘いに、勇気と希望を持った27人の生徒さんが手をあげてくれ、今回のコンサートが実現しました。

今回のコンサートは「みんなで作り上げるコンサート」を目標として準備を進めてまいりました。


今から4年程前に3年間開催した、私たち夫婦の門下発表会は、70人キャパほどのライブハウスでの開催でした。

そのときには「生徒さんにはなるべく自分の演奏に集中してほしい」という思いがあったので、受付などのお手伝いも生徒さん関係ではなく自分の母に頼んだりして、なるべく生徒さんとご家庭には負担をかけないようにという思いが強かったことを覚えています。


ありがたいことに年々生徒さんの数が増えてきて、いつかは音楽教室のある地元で大きなホールを貸し切って、単独で門下生コンサートをしてみたいとずっと思っていました。


そう思っていた矢先のコロナウイルス騒動で、自分の妊娠出産も重なりました。

そのためその期間はYouTube発表会で代替えをしたり、音楽教室の中だけで家族を呼んで小さく発表会をしていました。


それらを経ていよいよ今年2022年は念願叶って、キャパ500人超えとなる地元ホールを予約する機会をいただきました。

地元で音楽教室を開いてから、7年目の出来事でした。

しかし、今や幼い子供が2人いる自分にとって、自分の家族には子守をしてもらう関係で、昔のようにはお手伝いを頼めなくなりました。


大きいホールでの開催。目の行き届かないところが多いのに、自分の身体は一つしかない。どうしようか。ピアノのみの発表会とは違い、楽器も多く準備も片付けも大掛かりであることを、だれか相談できる人を探したいなと思っており、自分の今までの経験の中だけで考えるのには、限界が来ていることはわかっていました。

そこで私は勇気を持って、私の大学時代の先輩の恩師にあたり、九州・佐賀県で素敵なマリンバ教室を運営しておられる香椎愛子先生にInstagramから「発表会運営についてのレッスンをお願いすることは可能ですか」とメッセージをしました。(香椎先生のご活躍はいつもSNSで拝見しており、マリンバ教室の生徒さんたちはみな生き生きと演奏していて、大きいお兄さん・お姉さんは幼い生徒さんのお世話も兼任するような、そんな大規模なホール発表会を盛大に開催されていました。)


香椎先生はお忙しい中快くレッスンを開講してくださり、発表会の事のみに関わらず普段の音楽教室に関しても、こちらが質問したことは惜しみなく色々と教えてくださいました。


香椎先生に学ばせていただき、「みんなで作り上げるコンサート」のヒントを勉強させていただくことができました。

といっても、それらのアイディア全てを私自身が消化できたわけではないですし、そもそも岡山と佐賀県で所在地が違えば環境も違い、生徒さんひとりひとりももちろん違うので「全てを真似する」とかではなく「何が今回の自分たちの発表会には当てはまるだろうか」という見極めをしながら、手探りで進めて行きました。


私もまだまだ習いたての1年生なような感覚で、私としてはうまくいかないことや時間がたくさんかかってしまうこともありましたが、私も今後、音楽教室に通う生徒さんのように、少しずつでも成長していきたいと思います。香椎先生には引き続きレッスンを受けたいと思います🙇‍♀️🙏✨(香椎先生からはコンサート当日に素敵なお花もいただきました。本当にお気遣いをありがとうございます。)

そんな経験を経て、今回「みんなで作り上げるコンサート」目標として、出演者とその保護者の方全員にコンサートの役割をお願いし、運営していきました。


結果、コンサートは本当に素晴らしいコンサートになりました💐!!


お客様からの感想として

・「パーカッションのコンサート」という珍しいイベント、みなさん特色のある選曲で楽しかった。

・特にごく一般の幼児さんの木琴演奏とかだと乱暴だったりなどのイメージがあったが、

コンサートに出演されている生徒さんはみな「音楽」を感じていて、さすが「習っている、学んでいる」という雰囲気がしました。

・子どもたちがみんなかわいかった!幼い子から成長した高校生まで「みんなで作り上げるコンサート」の様子が伝わってきました。素敵なコンサートですね

・フィナーレのときの皆さんの素敵な笑顔が印象的でした

というような感想が載せられました。

ステージ作りから片付けまでを見守って下さっていた音楽関係者の方からは

「保護者の方々の協力がすごいね!!みんなあんなに色んなところで動いてくれるんだね」と驚いた感想をいただきました。


私自身も、子どもたちが自分たちの役割を楽しんでいてくれたように感じましたし、生徒同士・保護者同士の交流の機会にもなったことが、みなさんの様子からみてわかったので、とても嬉しくなりました。

今回保護者の方のみならず、出演者である子どもたち自身が運営に関わってくださったことに関して、自信を持って「幼少期から学生のうちに、自らがイベントのメンバーとして自覚を持ち、周りとの関わり合いを持ちながら準備・本番をしていくことは今後の人生に必ずプラスになる」と思いました。


ホール開催のコンサートは、もちろん1人の力だけではありえないことです。お客様から直接見える立場にはありませんが、会場スタッフさんとして、音響設備や照明設備で支えてくださる方がいたり、裏で支えてくださる人のおかげでなりたっています。


そして、ましてやマリンバやドラムを使った打楽器のコンサートは尚更、出演者同士、周りと協力をし合っていくことが大切となります。

数年前の私が抱いていた「生徒さんには自分の演奏に集中してもらいたい」という気持ちは変わりませんが、「ステージ発表」だけに重きを置くのではなく、その「準備」の段階から、ステージの裏方の経験や、イベントを主催する側の活動を少しでも経験するからこそわかることが必ずあります。


人としても、音楽力も、両方の心を育めるコンサートにしたいなと思いました。コンサートの裏側を経験していると、これから見にいく、音楽に限らずいろんなコンサートやライブなんかも、スタッフさんの気持ちがわかったりなど、いろんな立場の人を「想像」しながら見ることができ、面白い発見ができると思います。

そして、初めてホール発表会に参加してくださった生徒さん、特にホールでの発表は、緊張したと思います。

いつもと違う見え方それはなにも目の前の楽器だけではなく、照明の明るさだったり色だったり、部屋の奥行きだったり。いつもと違う環境だからこそ、戸惑うことはあると思います。

みなさんがこれから成長していく中で「いつもと違う環境に身をおき、成果を発表する」という経験は、今後少なからずあると思います。それは学校の学習発表会だったり、進学の際の受験だったり、就職した先でのお仕事のプレゼンテーションだったり。

そういうときも、ドキドキしながらも「今、この空間と場所で、自分に何が表現できるだろうか」を考え、体験するきっかけになってくれれば、この経験は今後に活かせる財産になります。


今回の発表会でもし、自分の思うように成果が発揮できなかったとしても、それは失敗はなく、あるのは学びだけです。


「完璧」というものはとても難しいことですし、どんな結果であれ「経験」という大きな学びを得て、今までの自分より成長しているはずです。今回の経験を踏まえて「次」はどうするのか、どうしたいのか。それを考えて、どんどん前進していってほしいと思います。


そしてこれからも、生徒さんが大人になった時「子どもの頃、パーカッションのコンサートでみんなと一緒に楽器運びをしたなぁ〜」「楽器の組み立てとか大変だったけど、楽しかったし、充実していたな〜」と振り返ってもらえるようなコンサートにしていきたいなと思います。

最後になりましたが、今回初めての試みが多く、こちらの至らなかった点も多くあったと思います。そんな中あたたかくご協力くださった関係者の皆様には本当に感謝を申し上げます。

改めまして、今回のコンサートを支えてくださった出演者、保護者、そのご家族、スタッフの皆様。本当にありがとうございました。


今年のコンサートは、今年のメンバーだったからこそ、成し遂げることができました。

発表会が終わってまだ数日ですが、多くの保護者の方から満足度の高いご感想や、次回開催へ向けた改善点や意欲などのメッセージをいただけましたので、今後さらに良くなっていくといいなぁと思いました☺️

次回以降の発表会では、また新しい顔ぶれの方々も加わって参加していただけることを願いつつ🙏✨楽しみにしています。


長くなりましたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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