バッグタックル
それは
混雑する通勤電車や駅のホームで
自分のバッグをアメフトのプロテクターのようにし
周りの人間にぶつっかっていく迷惑行為のことだ。
とくに痛いのがヴィトンのバッグ。
やつらは本革でなく鋼のような塩ビのため
バッグの角などが当たると猛烈に痛い。
そんなヴィトンに一日に2回も致命傷を負わされて
ウンザリしていた帰りの列車内。
トートタイプのヴィトンを持った若い女の子。
中身が丸見えでハラハラする。
自分のバッグを持ち直すとき
ふと
その子の足元を見た。
!?
厚底の靴、後ろが1センチも余っている。
これでは美しく立つことも歩くこともできない。
昔
私は呉服の営業販売をしていたのだが
そこで求められるものとはズバリ
客の品定めである。
上客かどうかは最初はわからなかった。
みんな見た目は質素で
ブランドバッグを持っているひとなんていなかった。
そこでみるべきところとは足元である。
サイズ、素材はもちろんのこと
汚れ、小さな傷、くたびれ度など
超高級なものではなくても
手入れが行き届いている靴を履く人は
良いものがわかる“本物”となるので
質のよい呉服を買ってくれるのである。
逆に
高級品を持ってます~という客は
どんなに良いものをすすめても
価値がわからないので
それっぽく見える安いものを沢山買ったり
パッと見て高級だとわかる呉服を古着屋で買ったりする。
そんな法則が私のなかである。
足元をみる、とはよく言ったもので
そこに全てが現れていると言ってもいい。
ちなみに
心の状態も足に出る。
体の末端というのはなにかに集中しているときに
神経が行き届かない箇所なので
嘘をついているときや
不安なときなど
足、指先など見ていると如実にわかるものなのだ。
歩いているときに音がするのは
明らかに靴が足に合っていないが
階段を上り下りするときにとても音がする人も
何か気になることや
現状に不満を持っていたりする人である。
人間もやはり動物で
自然の法則や物理の法則からは外れない。
人間はとても面白く
いとおかし