鼻中隔湾曲症手術 体験記(1)経緯 | まりまにっき

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ただいま。手術受けてきました。
2日に入院、その翌日9時から手術でした。
3日間の療養を終え、本日無事退院しました。

6日間とても長く感じました。

私が何の病だったか、一体何の手術を受けて来たかっていうと、
「鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」および「両肥厚性鼻炎(りょうひこうせいびえん)」っていうよくわからない名前の病で、
「鼻中隔矯正術(びちゅうかくきょうせいじゅつ)」および「下甲介切除(かこうかいせつじょ)」っていうこれまたよくわからない手術を受けて来たのです。
一体どんな症状なの?といいますと、極度の鼻づまりです。
極度のっていうのは、まじで鼻で息ができないから。
薬じゃ絶対治らないから。

だって、骨が曲がってるんだもん!!!!!

成人の約8〜9割の人は、鼻の左右をしきる骨(鼻中隔)がどちらかに曲がっています。
だけど、息をすったり吐いたりする分には全く問題ない曲がり具合なんだそうです。
しかし、まれにその曲がり具合が極度にひどい人がいて、そういう人は曲がってしまった骨によって鼻を塞ぐことになり、呼吸ができなくなってしまうのです。

私は、自分から見て右に骨が曲がってしまったため、右の鼻で息をすることが全くできない状況でした。

一体、いつから。。。

人は、産まれたばかりのときは鼻中隔がまっすぐなんだそうです。
しかし、成長するに従ってだんだんと骨がどちらかにゆがみだし、いつしか鼻がくのじに。。。
この鼻中隔というやつは、鼻筋とは別で、鼻のもっと内部の骨なので、見た目では鼻が曲がっているようには見えません。

曲がるきっかけっていうのは、鼻を折ったり強い衝撃を過去に受けたことがある人とかが多いらしいけど、私はそんな経験が無いので、たぶん私のあちこちの骨のゆがみがきっかけだったんじゃないかな、と思っています。
なにしろ、私は背骨がすごくゆがんでいて、右肩が極端に下がっています。
さらに、ロート胸、顎関節症、歯並びも悪く(これは3年かけて矯正し治療済み)、などなど
ゆがみひがみのオンパレードな身体なのです。
鼻の骨が曲がる因子が、あり放題ってわけだ。

今思えば、中学3年のとき友人にこんなことを言われた記憶があるのです。

「なんか、口でハァハァ息してるよ。口で息するのって、よくないんだよ。」

そんなこと気にもしていなかったし、初めて言われたのでショックでした。
確かに意識してみると、私は口で息をしていました。
じゃぁ鼻で息をするようにしよう!。。。しかし、すぐに息苦しくなってしまいできません。
なんで私は鼻で息ができないんだろう?
しかし、時々鼻で息をしている時がある、っていうことにも気づきました。
鼻炎なのだろうか?

そして、授業中がまんできない睡魔に襲われるようになったのもこの頃からでした。決して夜更かしばかりしていたわけではありません。
夜なかなか寝付けないのです。悩みの多い年頃だったけど、それとは別に、とにかく息苦しくて眠れないのです。口で息をするとのどがかわき、呼吸も浅くてどうしても心も脳も沸騰したように落ち着きません。
。。。しかし、しばらく布団の中でもがいて時間をやり過ごす内に睡魔の方が勝ってしまい、眠りに落ちました。

だけど不思議なことに、朝起きてみると自分がすーすーと鼻で深い呼吸をしていることがあるのです。なぜ呼吸が楽な時と苦しい時があるのか、まだ中学生だった私には理由がわかりませんでした。呼吸が楽なとき、私はいくらでも眠ることができました。起きなければならないと、眠くて眠くてたまらずとてもつらかったのです。


。。。そして時は流れ、インターネットやテレビなどで自分が一体どんな状況におかされてるか、今まで思っていた疑問の答えがなんだったのか、知ることになりました。

疑問1.なぜ鼻で息ができないのか?

→鼻中隔が曲がり、鼻をふさいだから。

疑問2.なぜ睡魔に襲われるようになったのか?

→口で呼吸をすることにより脳が休まらず、睡眠の質が低下したから。なかなか寝付けないことにより睡眠時間が減ったから。

疑問3.なぜ呼吸が楽な時と苦しいときがあるのか。

→鼻は、数時間ごと左右交代しながら空気を通しているから。それは、鼻を交互に休ませるためらしいです。つまり私の場合、息苦しい時は塞がれた右の鼻が活動していて、逆に息ができているときは、塞がれていない左が活動していたタイミングだったのです。


高校生のあるとき、何の症状だったかわすれたけど耳鼻科に行く機会がありました。
そこで診察を受けた私に医者が放った言葉は

「こりゃ相当ひどいね」

顔のことではありません。
鼻の骨がかなり曲がっているそうなのです。やはり、そうだったか。。。私は納得しました。
しかし医者は続けて言うのです。

「これは手術しないと治らないよ」

手術!!!!!なんということでしょう。私はその言葉だけで身震いしました。
なぜなら私は臆病だからです。
手術なんてとても怖くて受けられない。。。私は今まで呼吸がつらくても、なんとかやってこれたわけだし、これからもきっとこのままで大丈夫。
私は自分の病と向き合おうとしませんでした。


。。。そしてさらに時は流れ、私は子供を産みました。
このごろは慣れっこで、左の塞がっていない鼻が通っている時に寝てしまえば、すーすー快適に眠れるので、左の鼻が通るタイミングをわざわざ待ってから寝ていたのです。
普通の方からみたらなんとも滑稽な寝方だと思うでしょうが、もはや口呼吸で寝ることは落ち着かずどうしてもできなかったのです。

しかしどうしてか眠いときに限って、塞がれた鼻が活動しているのです。
私はどうにか右から左に交代しないか、姿勢を変えたり上を向いたり下を向いたりがんばります。姿勢を変えることによって、フッと呼吸が入れ替わることが多かったからです。
運良く入れ替わると、落ち着きすぐに眠ることができました。

しかし、よく通る左から→塞がれた右に変わってしまった直後だと、つぎに鼻の活動が交代するのは1、2時間後。。。
私は1、2時間ずっと布団で待ち続けることになりました。仕方なく起きて本を読んだりして待つこともありました。
それでも今までは良かったんです。

子供はどうしても、夜中に泣いて起きます。新生児のときなんて、3回とか4回とか起こされます。当然親は起き上がってオムツを変えたり、授乳したり、あやしたりします。
しかし鼻がよく通る方に入れ替わり、やっとこさ眠れたのに、子供に起こされて私も起き上がると。。。
私の姿勢の変化をきっかけに、鼻の通りが入れ替わってしまうんです。
そして子供が寝た後、取り残されるのは息ができないこの私。眠いのに、鼻で息ができないから眠れない。
つらくて仕方ありませんでした。


そんな私を見て、夫がある日言いました。

「手術しよう。僕はこんなまりあを見ているのがつらい。助けてあげたい。」

私も限界で、もはや手術の恐ろしさよりもどうにかしてこの状況から抜け出したい、治したい、という気持ちの方が強くなっていました。

しかし、いろいろと調べた結果、手術には1週間程度の入院が必要と分かったのです。
まだ1歳にも満たない子供を夫ひとりに預ける母親なんて、どこにいるでしょうか。
私は手術をためらいました。まだ母乳だって飲んでいるし、祖父母は色んな事情があり頼れなくて、仕事している日中はどうするの?
もうすぐ保育園は始まるけど、始まって2週間もすれば私は復職して働かなくてはいけない。
しかもその2週間は慣らし保育だから、預けることができるのは数時間。

もはや手術は不可能だろうと思いました。

しかし、保育園に預けるのを少し前倒しにすれば良いんじゃないか、という夫の提案で、慣らし保育を2週間前にずらし、慣らしが終わったタイミングで手術&入院することを決めました。

しかし日中の預け先は確保できたものの、当然朝と夜の子供の世話は夫ひとりです。
夫は本当にいわゆるイクメンで、母乳と子供の離乳食作り以外だったらなんだってやってくれます。
だけど二人で協力してやるのと一人でやるのとでは、全く違います。
それをいくら夫に訴えても、

「大丈夫だよ。僕にまかせて!」と常に前向き。

「ただ離乳食は作れないから、市販のものを使うでもいいかな。。?」

私はもちろん良いと答えました。夫に離乳食作りの負担まで負わせたくなかったからです。
それに少しくらいインスタントが続いたっていいたろうと思いました。まぁいくらインスタントと言っても、離乳食のインスタントは基準がすごく厳しいらしいので。。。
おかゆだけはたくさん炊いて、冷凍したストックをいっぱい用意しました。


私は申し訳ないながらも、夫のたくましい決意に甘えさせてもらうことになったのです。



そして、人生初めての手術にいどむことになった。


うわ!!ここまで長い。。。つづく。。。