問答形式による民俗学入門
『婦人公論』に掲載されたエッセイ・コラムをまとめています。
「妹の力」大正14年
玉依彦・玉依姫が兄・妹の自然な姿とのことです。2柱は賀茂の神人の始祖で、上の社の神の母と伯父ですよね。巫(ミコ)は原則的に女性で、女性のまじない力に頼り力のある巫女がいる家は繁栄するし、女性は生産力があるから田植の儀式を行うとのことです。
兄妹でも、昔は兄になれなれしく物を言うことはできず「男女の差別を厳にした近世儒教の法則は特に女性に過酷であった」そう。だんだんと人がやさしくなり、兄妹の親しさが深まってきたと好感されています。
浮世絵時代は細い眼が美人の象徴だったけど、今は大きな丸みのある眼が美女といわれるようになり好みも変わってきたとも述べられています。
大正時代の習慣や価値観ですし、江戸時代に比べると自由さが増したということなんでしょうね。
「女性生活史」昭和16年
『婦人公論』読者の質問に柳田國男先生が答えるQ&A方式になっています。
Q:女の生活で一番の変化は何でしょうか。
A:髪型やお歯黒など年寄りは昔を懐かしがっているが、新しい風習になってきた。
お歯黒‥
いろいろな女性達のさまざまな質問に答えておられます。質問者の女性達は当時の意識高い系で、時代の先端を行く考え方だったのかなと思いました。
そのほか「毎日の言葉」「大家族と小家族」「婚姻の歴史」「錦木と山遊び」「迷信と邪教」「個性の教育に」がまとめられています。
迷信とは「迷う信仰」ではなく「誤れる慣習」だと述べられていますし、狐持ちとか犬神持ちとか興味深いワードも散りばめられています。
この時代にフェミ寄りな内容が意外でした。古代は女系だったと主張されてますし、軍国まっしぐらな時代に、穏健派的な主張を崩さない姿勢にブレなさがあり、なんとなく納得しました。文章が堅くやや読みにくさがあります、若干ですが。

