激動の飛鳥時代と額田王の半生
白村江の戦いから壬申の乱へ
百済を救援するため船団で難波から筑紫に向かう途中、斉明天皇に仕える女官・額田王(ヌカタノオオキミ)が、大田王女の出産に立ち会う場面から物語が始まります。
大海人王子(天武天皇)の優柔不断さに愛想つかして別れた額田王は、大海人王子が性悪な妃・讃良(サララ)王女の言いなりになっている様子に呆れ苛立ちます。
額田王は葛城王子(天智天皇)に歌の才能を見込まれ仕えることになりますが、葛城王子とは男女の関係との噂が流れ、自分は若くないし恋愛関係でもないと憤慨。
斉明天皇が崩御し、葛城王子が跡を継ぎます。葛城王子の腹心の部下である中臣鎌足がめちゃくちゃ有能で、仕事も駆け引きも完璧な男。額田王は鎌足を見習い葛城王子を支えたいと奮闘します。
中臣鎌足が病死すると、忠臣を失くした葛城王子は迷走。大海人王子でなく息子の大友王子を後継者にしたいと告げると、大海人王子は反発し出家して吉野に向かう。
虎に翼を付けて野に放つ
妃・讃良王女と息子・草壁王子も同行し山深い吉野に向かいます。讃良王女は、大海人王子が大王になり息子の草壁王子を跡取りにしたいと狙っている。
讃良は鳩の巣に生まれた鷲
額田王と讃良王女の静かな戦い。額田王の目線での物語なので、讃良王女は強情で野心的で高慢でヒステリックで腹黒く、大海人王子も困るほどと描かれています。
葛城王子(天智天皇)が亡くなります。後継者になる息子・大友王子は若すぎるし周囲への根回しも上手くできず力不足が心配。
戦になる!‥恐ろしい直感が額田王の胸に浮かぶ。
讃良が牙を剝いたときに拒めるよう、長生きしなければならないと額田王は誓う。
ついに、大海人王子がクーデターを起こし大友王子を倒し近江京は陥落。
大友王子の正妃は額田王の娘。敗者側から見た壬申の乱が描かれていて迫力満点です。負ける側には負けるだけの理由があるようです。敗者となっても、毅然とした態度の額田王。結局、勝ったのは讃良王女。
額田王が詠んだ歌
『古しへに 恋ふらむ鳥は ほととぎす けだしや鳴きし 我が念へるごと』
題名の「恋ふらむ鳥は」はこの歌からなんですね。
額田王から見た讃良王女と大海人王子が興味深く面白かったです。恋多きモテ女の額田王でなく、歌人でありながら政治の世界で生きた額田王も新鮮です。

