ままならず、愛おしい

たったひとつのこの体(わたし)

他者との交わりが

人生にささやかな灯をともす

変わり映えしない日常を寿ぐ

小さなハレの日の物語

 

3話からなっていて

年を取ると体がどう変わるか、がテーマのようです

 

1,ソメヤ42歳は、職と住まいを同時に失いそうな事態になり、今までまじめに働き、まじめであることに徹し、まじめのほか何もしなかった自分に気づく。ルームシェアサイトで部屋をさがしミナイの所有する部屋に入居する。勤め先の図書館に本を借りに来たおばあさん・乙部(オトベ)さんと知り合い、その息子48歳の無職コミュ障マサオと見合いするはめになってしまう。

 

2,ミナイは大学を卒業したばかりの23歳、早く年取りたい老化願望を持ち、起業の準備しながらコールセンターでバイトしている。毎朝スムージーを飲みヨガに勤しみランニングし、ピンとまっすぐな背中で颯爽と歩く若くてきれいな女性。ルームシェア相手のソメヤをダサい女と見下しているが、ソメヤとマサオの再見合いを計画し、二人は姑息な感じの動きが似ていてお似合いカップルとひややかに見ている。ミナイは乙部に近づいて老いを分けてもらいたいと狙っている。

 

若いっていうだけで未来とか希望とか勝手に想像されるのがすごくだるい

 

3,サッちゃんこと乙部幸子(オトベサチコ)76歳は、茶色いフリース着ておんぼろキャリーを引いて歩く老女。息子のマサオには、姿勢が良くて冷静で賢そうなミナイみたいなタイプでなく、ソメヤのようなくたびれた地味な余りものタイプが似合うと見る現実派。若くて健康で美人のミナイが息子にしつこくこだわるのが理解できないし不審でならない。無害で無力な年寄りに見えても実はそうじゃない乙部。

 

3人のなかでは年齢が近いこともあり、乙部の献身的なようでいて実はしたたかなズルさが感動的でした

 

ミナイは親切で残酷な不思議ちゃん

ソメヤは要領悪くて損するタイプ

 

クリスマスの食事会で、ミナイとソメヤが乙部にプレゼントしたものとは?

乙部が一番ほしかったもの‥

 

Z世代と氷河期世代と団塊世代をそれぞれ象徴しているような

考え方や行動などを辛口に表現されていて面白かったです

芥川賞作家さんの文章は手強く読みごたえがありました