妻の貌を、男たちは知らない
外見が好きで、趣味も話も気も合って、価値観も同じで、ずっと一緒にいたい人なんて、一生のうちに何人も出会わない。多分、一人か二人。いや、まったく出会わない人もいるだろう。
背徳的で奔放な、身近ではありえない思いもつかない話に引き込まれました。こういう考え方もあるのだなあと視野が広がる感じといいますか。
翔太郎も新もその貴重な一人なんだから、二人とも大事にしてもいいではないか。
情熱的な女性の古い因習にとらわれない自由さへの賛美でしょうか。
二人の男は自分という女が生きていく上で、絶対に必要な存在なのだ。
翔太郎の存在は、新の半ば公認となったのだ。
旦那衆が妻公認の妾を囲う話を、男女逆にした令和バージョンのようでもあります。
学生時代に付き合っていた翔太郎が商社に就職し新しい彼女と結婚。麻耶は就職したIT会社で新と出会い結婚した一年後ふたりは再会、元の鞘に戻り、以来八年間親しく付き合っている。
人それぞれなんだけど、自分とまるきり違う生活、価値観に触れることは刺激になります。だからなのか小説を読むことが楽しくて、しばしの現実逃避に心地よく浸るのかもしれません。現実にある話ではないと自分の狭い価値観で判断するのは、誤りかなという感じもします。普通にある話だよ?世間を知らなさすぎでしょ?
自分の善良さに気づくまたとない一冊かもしれないです。
