タイプの違う5人の「マザー」 母親をめぐる短編集です。
1,「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」と似た幸せな家族だと思っていたが、母にとっては陰険で底意地の悪い舅・姑・夫との忌まわしい生活だったという。3人を看取った母は、墓じまいして死後離婚する。家も処分して好きなところで暮らすつもり、と母はにっこり笑って息子に言った‥
2,母が亡くなり、無職でうつ病の兄が結婚したと聞き驚く妹。どんな兄嫁か急いで見に行くと母のワンピースを着ていてぞっとする‥
3,結婚を反対し絶縁したと思っていた娘が息子2人を連れて母の家に帰ってきた。家族ができると喜んだが、生活感覚や好みの違いで家庭内別居状態になる‥
4,母のお腹の中で聞いた父と母の会話を覚えている。ママは私が嫌い、憎らしいと思っている。私もママが嫌い、パパとだけ一緒にいたい‥
5,離婚し家を手放しマンションの住み込み管理人になった男は、住民で独り暮らしの高齢女性が急に派手な格好になり、マンション内の複数の男性と交際している噂を聞く。息子と娘が訪ねて来て恥さらしだと大喧嘩になり‥
いろいろな世代の、さまざまな暮らしの中の母親の姿が描かれています。こういう人いるかもしれないけど、いなさそうでもある突き抜けた母親ばかり。岸壁の母とか花街の母とかの対極にいるような母の生き様。進化する母の生き方、同感は無理でも納得はできます。
登場する5人の母には接点も共通点もなく、ダークな本性が徐々にさらけ出されていき話に引き込まれます。ある意味、毒母・モンスターマザーかもしれません。

