江戸・神田の小児科医
ふらここ堂の面々の日常と騒動を描く。
山桃の枝に吊したふらここは、母を亡くしたおゆんが幼かったころ父の天野三哲(アマノサンテツ)が作ってくれた遊具。内気で引っ込み思案なおゆんは17歳。
三哲は小児科医で「藪のふらここ堂」とあだ名される藪医者。おゆんの幼馴染の次郎助(ジロスケ)が弟子になりたいと押しかけ、三哲は好きにしなと塩対応します。
モンスター患者が来ると診察を逃げ出したり、往診を「面倒臭ぇ」と断ったり超マイペースな三哲。藪という評判から閑古鳥の鳴くふらここ堂、どうなることやら。
おしゃべりで軽々しい性格の次郎助
近所で水菓子屋をしている世話好きな金蔵とお安が次郎助の両親
口の悪さで三哲と張り合う評判のいい凄腕産婆のお亀婆
薬種屋の手代の佐吉(サキチ)がふらここ堂へ納品に来た時、連れていた少年が息子の勇太(ユウタ)で妻を亡くし息子と2人暮らしとわかり、お亀婆の住む亀の子長屋に引っ越してくる。おゆんは知的で爽やかな佐吉に魅かれてゆく。
佐吉だけが三哲を腕のいい名医だと認めている。しだいに、藪ではないかもしれないと思い始めるおゆん。
御城で仕える奥医師の候補になる三哲どうするか‥
おゆんは三哲の意外な出自を知り驚く‥
佐吉の妻は亡くなっておらず御城勤めで大出世したらしい‥
次郎助のおゆんへの変わらない思い‥
盛りだくさんな内容で、それぞれの事情が複雑に絡み合い物語が進んでいきます。ぐうたら藪医者の三哲の本当の姿、おゆんの揺れ動く気持ち、毒舌だけど心優しい周囲の人たち。人情たっぷり、じわっと温かく明るい江戸の時代小説です。

