ゆめもうで

第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作を改題

 

 

紙森千里(カミモリチサト)は総合病院の精神科医。外来で診察した女性は「呪いの夢、洞窟の夢を見る」と憔悴していた。巨漢刑事が訪れ外来を受診した女性が急死し死因が不明であると告げる。脳外科に入院中の男性が「悪夢による不眠」のため転科してくるが急死する。病理解剖すると人間の血でないものが‥

 

外来の女性と入院中の男性の夢が似ている。不吉な海に浮かぶ黒い島の洞窟の夢‥

呪いの夢、伝染性の呪いだとしたら、その呪いに感染してしまうのではないか?

 

そして、紙森も暗い海に舟で漕ぎ出す夢を見るようになる。自分の見た夢が「死に至る夢」とわかり恐怖が湧き上がる。医学的に治療できるのか、それとも祈祷師・神職・僧侶が対応するのか‥

 

フリーライターの伊東壮太(イトウソウタ)は先輩ライターから「見たら死ぬ夢、洞窟の夢、海で舟に乗っている夢」の噂を聞く。その先輩が事故死するが違和感を覚え調べ始めると、古文書に記述された「夢詣(ユメモウデ)」の話にたどり着く。神社の祭事で禍々しい神を鎮めるために昔あったらしい。


伊東と紙森が巨漢刑事の仲介で知り合い「夢詣」を再現するために協力する。洞窟の奥にある廃れて不気味なお社と黒い装束の化け物・蛇神の集団の呪いの儀式「夢詣」は成功するのか?

 

 

伝染する呪いの夢って恐ろしいですねえ、怖いですねえ‥

 

因習的な禍々しさに満ちたストーリー。サイコな人物が登場しないのがうれしい。医者の紙森もライターの伊東も常識的な人物として描かれ、安心して読み進められます。が、最後にすべてひっくり返るといいますか、予想外の結末となります。

 

不気味な呪いの伝承、魔物に近い神の祟りを祓うための生け贄、ぞくぞくするホラー&オカルト感満載で読み応えありました。