その高貴な結婚は本当に幸せだったのか
皇族華族の縁談に迫った衝撃の短編集
別世界の婚活とでもいいましょうか
1,大正時代、久邇宮の良子(ナガコ)女王が皇太子妃に決まる。が、政治や宮家の事情から婚約破棄寸前となる。そのあたりの複雑な駆け引きが書かれています。
2,徳川慶喜の息子の妻・有栖川宮家の実枝子(ミエコ)は夫を亡くし、夫の愛人が生んだ幼い娘二人を引き取るが可愛く思えない。実の娘は親王と結婚したが妊娠の兆候がなく悩む。血を栄えさせるという使命が‥
3,久邇宮の八男と九男は同い年の異母兄弟。二人は明治天皇の四人の内親王のうちの誰と結婚するか競うが、どちらにしても夫婦の不仲は避けられない予想。
4,明治時代、九条家の節子(サダコ)は15歳で皇太子に嫁ぐことが決まった。美しさより健康、たくさん子どもを産めそうなことが決め手になったのだ‥
5,大正天皇の第二皇子の妻・勢津子(セツコ)は、病気の夫の死が近づき心が揺れる。皇太后が息子の妻として自分を選んだのは誤りだったのではないか?
子孫繁栄のための結婚を当たり前と考え、多産そうな女性を結婚相手として選び、本人の意志でなく周囲が決めていく。高貴な方々の世界とはそういうものなのかと思いながら読みました。両家バランスの取れた結婚、子孫を残すことが絶対的使命、それでも子に恵まれず途絶える宮家もあったという。
やんごとなき方々のきらびやかでいてシビアな結婚観、正解も不正解もないし、良かれと選択したことの積み重ねが結果なのかと思いました。
