定年って生前葬だな。
モットーは「散り際千金」
田代壮介(タシロソウスケ)63歳、定年の日「俺は終わった」と深い脱力感と虚無感に襲われる。明日からのあり余る時間をどうすればいいのか。ハローワークの面接に行っても不採用となり、プライドの高い田代は惨めさに打ちひしがれる。
ジジババのたまり場と見下していたスポーツジムに申し込んだり、大学院を受験し合格をめざすため、手始めにカルチャースクールで学ぶことを決める。カルチャースクール受付の若い女性にときめく田代。恋はありえないと思いつつ、あの手この手でしつこく接近しますが‥
迷える定年ジジイを社長に迎えたいという若きIT会社が現れ、奇跡的に代表取締役社長に就任し、心機一転全力で働く田代の高揚感‥
老後に希望を見いだせない定年男。どこからもだれからも歓迎されずぬれ落ち葉状態の日々のなか、思いがけず社長として迎え入れられ、どん底から絶頂へ急浮上、ジェットコースターのようなシンデレラストーリーなのですが、再び奈落の底へ突き落されます。最後の拠り所は故郷、でしょうか。
わかりやすいストーリーです。行間を読む必要もなくするする読めます。テンポ良く話が進み、山あり谷あり笑いあり涙ありの「終わった人」の少しせつない物語。
まぎれもなく〝老い本〟です。

