笑いあり涙ありどんでん返しあり

短編&ショートショート全10編

 

 

北関東の折田(オリタ)駅と遠藤(エンドウ)駅を結ぶ各駅停車のローカル線2両編成の『オリエンド鈍行』は、土砂降りの雨の中、土砂崩れのため緊急停止します。

 

乗客は1両目に5人、2両目に3人。2両目の最後部に座っていた男が動かない。胸元が赤く染まっている。スマホは圏外で繋がらない‥

 

『オリエント急行殺人事件』をネタにしたような状況、密室の列車内。わくわくしますねえ。残った乗客7人が集まり互いに疑いながら、あーでもない、こーでもないと話しているうちに、生き別れの母と息子が涙と感動の再会したり、死体のはずの男が実はとんでもないことになったり、話が二転三転して思わぬ方向に進んでいきます。

 

面白いです。うーむ、そうきたかーとうまく乗せられた気分になります。乗客8人のそれぞれの立場と思惑が入り乱れ、誰が犯人なのか、自分に有利なように取り繕うところも容赦なく描かれています。

 

短編が5編おさめられていますが「オリエンド鈍行殺人事件」が一番良かったと思います。クリスティの「オリエント急行殺人事件」は若い頃読んだはず。アガサ・クリスティやエラリー・クイーンを夢中になって集中的に読んでいた頃があったんですけどねえ、内容を覚えていない。何度読んでもいつも新鮮、そんな年頃になりました。