運命の予感

 

 

中村彩香(ナカムラアヤカ)40歳は東京に住み花屋で働いている。娘の凪(ナギ)は北海道の大学に入学。夫の哲文(テツフミ)とは彩香の高校時代の教師で猛アタックして交際、二十歳で妊娠し両親に猛反対されたけど大学を中退して結婚。夫は2年前に病死した。

 

怒涛の日々が過ぎ、彩香は人生のすべてをやりつくしたような空虚さと焦りに襲われている。まだまだ終わりたくない、初めからやりなおしてみたい、別の人生にチャレンジしたい気持ちもある。そして気軽な恋愛相手がほしい‥

 

居酒屋で今井という1歳年下の男と知り合う彩香。

ロマンはもういらないんです。エネルギーを使うから。互いに気軽に付き合える相手が、理想的かも。

今井さんには人の良さを感じても、ときめきは覚えない、だけど、ときめきはいらない、と彩香は付き合い始めるが‥

 

 

大人の気軽な付き合いといっても、ずっと気軽なままとはいかず、相手のことをもっと知りたい、過去を知るほど波風がたち気持ちがすれ違っていきます。

 

彩香は過去の自分に後悔はないと思いながら、もっと別の人生があったのではないかとも思う。揺れ動く40歳の気持ちをじっくり丁寧に描いています。細密画のような緻密な心理描写、苛立ちや惨めさ寂しさの感情が文章から伝わってきました。