彼は物語の神である。
「正しい物語」では、男が中心に存在しなくてはならない。彼は人間たちを「正しい物語」へと誘導していった。
有名作品のパロディというか、パラレルワールドかもしれない。
『竹取物語』
帝の后に願い出た5人の姫君。竹取物語では、かぐや姫に5人の貴公子が求愛しますが男女逆バージョンになっています。
5人の姫君のうち、気弱な姫の名が「さよ」で、怠け姫の名が「ごう」、この2人が別の物語に生まれ変わるたび、物語の神が潰そうとします。
『源氏物語』
帝の娘・光子の母は更衣。光子と乳母の娘・佐与(サヨ)は姉妹同然の仲良し。光子と佐与に帝から『源氏物語』の写本が届く。佐与は物語作者を夢見ている‥
『平家物語』
男が描く男の美学『平家物語』で「ごう」は白拍子の静御前となり、「さよ」は源頼朝の妹・義子となり女武将として一ノ谷合戦で勝利するが‥
義経は女だったと『をんな義経』で瞽女が語り継ぐ。
『仮名手本忠臣蔵』
浅野内匠頭の未亡人の養女・軽(カル)と内蔵助の後妻・可留(カル)ほか赤穂浪士の妻や母たち47人の女が討ち入りを果たす‥
『舞姫』
豊子のベルリン留学生活が始まる。が、留学生仲間の森倫一郎から眼鏡を壊されたり万年筆を奪われる嫌がらせをされ、公使邸で紹介された郷(ゴウ)に助けられる。
留学先で踊り子を妊娠させ日本に逃げ帰った森倫一郎とは森〇外の匂わせですよね。
『蟹工船』
婦人蟹工船はブラック求人で集まった女だけで作業する蟹工船。劣悪な労働環境にサボタージュやストライキで対抗する「さよ」たちだが‥
蟹工船って、こうゆう話でしたっけと記憶を辿っても思い出せなくて目が泳ぐ。
名作のなかを渡り歩く「さよ」と「ごう」ですが、性格や人物像をつかみきれず混乱しました。だれが「さよ」でだれが「ごう」なのか読み分けるのが大変、盛りだくさん過ぎてまとまりがなくなったのでしょうか。
ビッグネームな物語の特徴をつかみ、男女を逆にして話を作り変える描き方が面白かったです。

