お江戸の女が元気をくれる時代小説

 

 

ちょっぴりセクシーな出合茶屋で働くマイペースな江戸女の物語。

 

咲(サキ)は口入屋の紹介で、上野不忍池の畔で新しい商売を始めるための女中として雇われる。女主人の名は志摩(シマ)、建物を改装して出合茶屋を開くという。

 

志摩は、咲の母が働いていた店のお嬢様だったことがわかります。裕福な呉服屋のひとり娘の志摩と住み込み女中の娘の咲。志摩の父が亡くなり閉店し20年が過ぎ、その間に咲は結婚し離縁して働き続け、運命のめぐり会い。

 

店の名は『蓮華屋』1階は料理上手な咲が蓮飯を売る飯屋、2階が"お休み処"という連れ込み宿、ラブホテル。

 

志摩の店で一緒に働くのは、恋多き女の香(コウ)、絵描きで遊び人の男・左之助(サノスケ)

 

咲の離縁の理由、志摩の波乱万丈な過去、香が受けた親からの虐待、左之助が描く枕絵への情熱‥

 

夫婦愛も不倫もアバンチュールもさらりと表現されていて暗さも陰湿さもないです。

 

左之助が咲の絵を描きたいと言い、できあがった絵に描かれた自分の姿は、咲が思っているよりずっとずっと不器量だった‥

こんなみっともない姿が私だなんて失礼しちゃうわ。

あははー自己肯定感最強ですね。

地味で真面目に働く咲だけど、ズレてる様子がおもしろいです。妻と幼子のいる左之助に、咲の淡い恋心が届くかどうか?

 

忘れたくても忘れられない過去の傷をいくつも抱え、互いに支え合いながらたくましく生きていく江戸の3人の女と1人の男の危うい関係。

 

出合茶屋を訪れる老若男女の悲喜こもごも、人生いろいろ山あり谷ありで話が進みます。さりげないけど、時にドキッとするくらい深く描かれています。