健気なお吉とほっこり甘い菓子が心をときほぐす

 

 

【とぉんとくる】

心の中に恋心が音をたてて落ちてくる様子を表す江戸言葉。

 

菓子処・松緑苑で働くお吉は、甘いものが大好きな25歳。亡くなった菓子職人の父も働いてた松緑苑が閉店となってしまいます。父と母は大火事で亡くなり、妹と弟を働きながら面倒をみてきたお吉。次の仕事を探さなくてはいけない。

 

お吉は自分が食べたお菓子を帳面『とぉんと帖』に記録していました。

 

店の客から「読売屋で働かないか」とスカウトされますが、断るつもりで読売屋・風香堂に行くと、お吉と同年齢くらいの女の書き手から冷ややかに見下されたことで発奮、思わず「やってみたい」と返事してしまいます。

 

書き手見習い‥何をどうしたらいいのかわからず、でも、ぼーっとしていたらクビになってしまう。菓子の読物を書かねば!

 

歌舞伎役者や相撲取りが好きなお菓子を取材して、読物を書き上げます。次は曲亭馬琴からお菓子の話を聞き出したいが、難航します‥

 

なにごとにも懸命に全力を尽くすお吉は、諦めない粘り強さが長所。見習いなのに、いきなり歌舞伎役者や相撲取りを取材できる幸運さも持ち合わせています。

 

なりたくて書き手になったわけじゃないし、男ばかりの業界で辛い思い迷いもするけど、持ち前のフロンティア精神で進んでいきます。

 

転がってきた幸運はしっかり掴み取る。そういうことかもしれない。