あの日の睡蓮を探して
パソコンの脇に、モネの≪睡蓮≫が飾られている。
桜野優彩(サクラノユア)26歳は、旅行会社「梅村トラベル」に転職して1年半。先輩の志比桐子(シビキリコ)は4歳年上で、てきぱき仕事をこなすようすに気後れし自信を持てずにいます。
資産家の柳原から旅行の仕事の依頼は
「一枚の絵を探してほしい。モネの≪睡蓮≫だ」ただいつどこでその絵を見たか覚えていない。そして「旅をプレゼントしたい」と言う。
1,国立西洋美術館
招待された父の代わりに来たのは、息子の農学部大学院生。優彩と桐子は≪睡蓮≫まで案内します。
2,ポーラ美術館
モネの庭を造りたい、という柳原宅の造園を手掛けた庭師女性とその孫が≪睡蓮≫に招待されます。
3,大原美術館
学生時代の友人は花屋の経営者、彼を招待し優彩と桐子が≪睡蓮≫へ案内します。
4,大山崎山荘美術館
柳原の妻は、生け花が趣味。優彩と桐子が≪睡蓮≫へアテンドします。妻だけで柳原は同行しません。同行できないから妻に≪睡蓮≫を見てほしいのです。
人生の終わりに近づいた柳原が、いつか見たモネの≪睡蓮≫を探す旅に古い知り合いを招待する短編集です。どこの≪睡蓮≫でしょうかね。
モネの絵のような柔らかなタッチで書かれていますが、なんといいますか、ものたりないといいますか、ヒネリがほしかったといいましょうか。ミステリではないから、驚きの結末を期待するのは的外れなんですけど‥
モネの≪睡蓮≫はいくつかあり、大きく圧倒されるような≪睡蓮≫だったり、曇り空のような≪睡蓮≫だったりという桐子の解説に、そうかなるほどーと思いました。ほかの絵や作者についても説明があり、興味深く読みました。
