もっと怖い話ないか?

居酒屋のカウンターには「闇」が埋まっている

 

 

13編+おまけの短編集です。

 

 *老舗の居酒屋を譲られた三代目が、二代目から提示された奇妙な条件とは?

 *フェーン現象が起きる時には、戸を開けちゃいけないと祖母が言う「入ってくるから」

 

 

『三味線の音』

飲食店で友人と地酒を飲んでいると三味線の音が響く。三味線の音色は時間を遡らせる。“わたし”の祖母と母は美容師で芸妓さんや舞妓さんの髪を結っていた。子供の頃、妖怪絵本の「二口女」を母に見せると

 

おるな、二口女。けっこう、おる。お母さん、よく見るわ。頭の後ろのほうの口と、おしゃべりしたりもするな

 

冗談を言っているの?美容師は女たちの後頭部に大きな口のような裂け目があることを知っている。ついに“わたし”は見た、島田に結った髪の下でパクパクと口が動くのを。あれは何だったのか?三味線の音色で二口女の正体を知ってしまった“わたし”

 

『笑うカピタン』

宿泊したホテルの部屋の壁に掛けられた古い絵。その絵の中からオランダ商人たちが出てきて何かをさがしながらベッドの上を歩く‥

 

『空飛ぶ梅』

雷神・菅原道真の飛び梅伝説。どうして梅は空を飛ぶのか。将門の首とか仏様とかなんでも飛ぶから、梅は飛び、稲妻は走る。梅の木と稲妻は形が似ているから本質も似ているという‥

 

 

各地の商店街や飲食店を訪れた人たちが、それぞれの過去や現在の不思議なエピソードを披露します。封じられた謎、かすかな闇が描かれています。

 

ありえないことが目の前で起きて呆然としたり、妖しなのか超自然現象なのか、偶然とは思えない因縁めいたできごとなど、ぞわっとする怖さがあります。

 

さらりと表現されてますけど、読んだあとじんわり小さく震えます。